「五行易」で故人の気持ちは推し測れるか?
占的「母親の今の気持ち」
立卦及び卦象
本卦「天山遯」、之卦は「巽為風」です。
本卦は引退、隠遁を表す卦ですから、身罷られた母親の様子。未来は風を表す巽が重なる卦。
ここで思い起こされたのが一世を風靡した『千の風になって』、亡くなってもなお相談者の元に繰り返し訪れ,寄り添い見守る様子です。
用神は父母。初爻に現れますが空亡します。これはすでに故人である様子。ただし世爻が二爻に現れ、相談者の背後からそっと見守る様子です。
世爻は官鬼を帯び回頭剋。本来ならばこれは凶象ですが、官鬼=事後処理、法的手続きと解釈すれば、母親の葬儀,相続などの諸手続きから解放(回頭剋)された様子でしょう。
そして官鬼は四爻で再現、化爻の未(土)が卦身となります。
再現する午(火)を未来の相談者とすれば、常にすぐそばに母親が寄り添う象(かたち)です。
初爻の下に伏神する子孫の子(水)は、娘を見守る母親。故人であってもその思いは変わらないのでしょう。
占的「父親の想い」
立卦及び卦象
本卦「水沢節」、之卦「山風蠱」。
本卦は節目。亡くなってから13年ですから、13回忌の節目。之卦は父から子へ事業を引き継ぐ卦。そして変革を意味します。
用神は父母で四爻に現れました。世爻は初爻、応爻が父母となりました。四爻は上卦、ここから天国を思わせます。
先程の母親との距離感はありますが,世爻と応爻は巳申の合の関係です。
亡くなってもなお通じ合っている様子。
内卦は巳酉丑(金局三合)を形成。三合旺支は父母の酉(金)。父母は家庭。
応爻の之卦は官鬼の戌(土)。官鬼は女性から見た男性。つまり相談者の伴侶です。
その官鬼は五爻に現れて日併。付帯青龍はイイ男。
之卦の山風蠱と合わせて考えると、相談者の幸せ。相談者が良き人を見つけて家庭を築いて幸せになってくれることを願っているのでしょう。
吉凶を断じるだけが五行易ではありません。その魅力は、遠く離れた人の心、それは物理的な距離だけではなく、時間を超えても尚詳細に照らし出します。
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