「五行易(断易)」はいつ頃日本に伝わったのか?
先日来、桜田虎門先生の「五行易指南」の現代語訳を試みています。
桜田虎門先生は別名「鼓缶子」と称した江戸時代は京都の町医者です。「鼓缶子」とは易経30経の離為火の三爻の辞「日昃之離。不鼓缶而歌、則大耋之嗟。(日が傾いて沈もうとしているように、人生が終わろうとしている時に、年老いた身を天命に任せ、迫りくる終焉を嘆くのではなく素焼きの器で酒を飲み、器を叩いて拍子を取って、歌を唱って余生を楽しもう)」からの引用で、なかなか諧謔に満ちた号を選んでいます。
江戸時代においては街道筋に宿場から宿場を渡り歩いた辻占いが数多く存在する中で、医師や寺院の僧のように請われれば筮を取る易者も数多く存在した時代です。
易経が武士や知識人層が身に着けるべき教養の一つとして根付いていた証左でもありますが、占いそのものの背景には、平安時代の陰陽師独占の占術の知識が、武士の世に遷るにつれて流出し、それが戦国の世に在っては各地の大名のお抱えの軍師として活躍した時代が、江戸の泰平の世になって職にあぶれた軍師や、あるいは藩校や寺子屋の教師となってそれを伝えていたという背景があろうかと思います。
易経その物の伝来は、おそらく遣隋使、遣唐使を通じて我が国に伝来していると思われるので、周易に倣った易占法についても同じように伝来しているはずです。
しかし「五行易(断易)」ともなると、これを用いたという記録が平安時代から戦国に至るまで確認されていません。一説には、貴族の間に在っては陰陽師より異端視されたという説もありますし、戦国の時代に在っては軍師の存在は国家機密に近い扱いで、仮に「五行易」を用いた軍師が存在したとしても、その存在は大名によって秘匿され、またその技術も書のような形で残されることは無かったのでしょう。
陰陽師の各占術においても一子相伝の口伝えで今でも脈々と密かに伝えられていると聞きますから、仮に存在していたとしてもそれが表に出るようなことは無かったと思われます。
そんなわけで桜田鼓缶子が顕した「五行易指南」は本邦初の「五行易」の解説書として今に伝わり、複雑難解な機関を解説するに、誤りもだらけの数多の俗書の中において、誤りが少ない良書と、近代断易の中興の祖である九鬼盛隆先生も大いに評価する著作でもあります。
ちなみに「五行易」という名称を付けたのもこの鼓缶子で、それまでは「断易」という名称で周易と区別するのが通例であったようです。
「五行易指南」の下地には、断易の古典の名著の一つ王洪緒の「卜筮正宗」が下地にあり、各種身命や出産、病占や財運等の断法は皆「卜筮正宗」が基礎となっています。
中国においては明朝建国の功臣であった劉伯温が民間に埋もれていた「五行易」の断法を復興整理して名著「黄金策千金賦総断」を著し、漢の京房の迫害を以て表舞台から姿を消していた「断易」が復権します。ただ、おそらくはやはり一般に広く流布するを畏れた権力筋により、一般向けの解説書が出回るようになるのは清朝に至るを待たなければなりませんでした。
清朝はそれまでの漢民族の王朝とは異なる異民族の国家でしたから、この辺り断易の取り扱いについても寛容であったのでしょう。「卜筮正宗」と並ぶ古典的名著「増刷卜易」や「易冒」といったと著作もこのころの作であり、これが江戸時代に我が国にも伝わったところを鼓缶子等の易経の碩学者の目に留まった物と思われます。
得卦の解読にあたっては、非常な熟練を要する周易に比べ、「五行易」はその五行の生剋の関係さえ理解できれば、吉凶の断を下すことは比較的容易です。
おそらく「卜筮正宗」を手に取った鼓缶子を始め、すでに伝来していた「増刷卜易」や「易冒」を読み周易から断易に転向した数多くの易者たちの間で、数多くの占例が生まれそれらの記録をもとに、鼓缶子の「五行易指南」を始め、数多くの解説書が編まれていったのでしょう。
こと、「五行易」については数多くの占例に触れて、各種機関の動きやその特徴をつかみ、より深く読み込みを行うという独特なクセがありますから、こうした数多くの占例をもとに確立された各ジャンルの占的の占断のポイントは、例え隔世の古典であっても現代にも通用する内容です。
まだ冒頭部分しか現代語訳が進んでおりませんが、いずれは各断法の訳を進めていきたいと思っています。
易照の方位予報 10月12日予報
方位予報図
予報詳報
北⛅
吉凶半々方位(生門旺相・暗剣殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。九星は六白金星が巡るので良くも悪くも気が大きく、鷹揚となります。交友筋とのお付き合いで見栄を張って大盤振る舞いしたり、お買い物は背伸びをして分不相応な高級品に手が伸びそうです。ギャンブルは一発狙いの大勝負に走りがちで損をします。
交際運…吉凶半々。友人や知人に頼りにされる面、金銭関係のトラブルに巻き込まれやすくなります。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。仕事では、リーダーシップを発揮できる方位ですが、一方で周囲から足を引っ張られたりつまらないミスを犯すことがありそうです。交渉事、相手にその氣が無く、八方手を尽くしてもまとまりません。勝負事、ムラっ氣が多く集中力に欠けます。
健康…頭をぶつけたり、首の筋を違えたりしそうです
北東⛅
小吉方位(休門休囚) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。方位地支は官鬼と子孫が同会するのでギャンブル運が好調です。想わぬ大穴を引き当てる場面もありそうです。お買い物は希望の物が見つかる反面、他にも欲しい物が出てきて目移りする場面がありそうです。
交際運…吉。お悩み相談に吉。特に金銭に関わる問題に救いの手が差し伸べられそうです。交友筋だけでなく専門の公的窓口に頼っても良いでしょう。
仕事、交渉、勝負運…やや吉。仕事では、部下の好アシストや、難問が自然に解決しているような幸運が重なりそうです。交渉事、相手の態度が軟化して歩み寄りが見られそうです。勝負事、攻めより守り重視。反撃のカウンターが効果を発揮しそうです。
健康…大きく崩れませんが、小風邪をひいたり、喉を傷めることがありそうです
東⛅
小吉方位(開門休囚) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。お買い物は欲しい物や探していたものは見つかるものの、価格が高かったりデザインや色が氣に入らなかったりしそうです。ギャンブルはおおむね好調ですがのめり込みやすいので注意。引き際を誤って大敗する暗示があります。
交際運…吉。関係が悪化していた相手とは仕切り直し、撚りを戻せそうです。飲食を伴うとよいでしょう。
仕事、交渉、勝負運…やや吉。仕事では、停滞していた物事に進展が見られたり、大きな変化が音連れて解決のチャンス到来となりそうです。交渉事、互いの間に横たわっていた問題や、対立点が氷解し解決に向けて動き出しそうです。勝負事、前半は持久戦の展開です。後半のワンチャンスを生かして主導権を握ることができそうです。
健康…疲労による筋肉痛や関節痛、腰痛に悩むことがありそうです
南東☁
吉凶半々方位(驚門休囚) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉凶半々。方位地支は官鬼と妻財が同会し、妻財の巳(火)が日併するので悪くはありません。ギャンブルでは思わぬ大穴を引き当てたり、お買い物は探していたものが見つかったりする反面、起伏が激しく、同時に出入りも激しくなります。特に熱中したり視野が狭くなりがちな飲んで入りよりも出に注意しましょう。
交際運…やや凶。感情的になりやすい方位です。小さなことにこだわったり、些細のことにカチンときて口論となりやすいので注意。
仕事、交渉、勝負運…吉凶半々。仕事では、良いアイデアを思いついたり頭の回転が速くなりますが、独断専行に走りやすく周囲が付いてこなかったり、孤立しそうです。交渉事、たく否交渉で相手より譲歩や妥協を引き出せそうです。勝負事、熱くなりやすく攻撃も防御も大味になりやすいです。
健康…喘息の発作等の呼吸器系の炎症、あるいは胃腸炎のような突発的な症状に注意
南☔️
大凶方位(驚門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は空亡します。貴重品を落とし足り忘れ物をしそうです。お買いものは衝動買いからの大散財、ギャンブルものめりこんでは負けを重ねる凶方位です。
交際運…凶。火性が強く、相手のことが信用できなかったり何でもないことに逆上、頭に血が上りやすく口論対立を引き起こします。
仕事、交渉、勝負運…凶。仕事では、うっかり、ぼんやりのミスを重ねて滞ります。交渉事、大切な場面で忘れ物や書類の不備などが発覚して停滞しそうです。勝負事、守備も攻撃も中途半端で振不徹底。苦戦するでしょう
健康…食あたり、高熱を伴う腹痛など
南西🌤
吉方位(景門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。金銭に関わる悩み事が解決したり、金策のめどがついたりします。方位地支は官鬼を未が帯びギャンブル運が好調。臨沂収入が期待できます。お買い物は店員に案内してもらうと理想の物を探し当てそうです。
交際運…吉。お悩み事の解決に吉。年長者や先輩、あるいは公的な専門窓口が頼りになりそうです。
仕事、交渉、勝負運…吉。仕事では、上司や先輩の協力や助言が有効です。困ったことは何でも相談してみるとよいでしょう。交渉事、粘り強い交渉で難問が解決しそうです。あきらめずに説得説明を続けてみましょう。勝負事、奇襲や奇策が奏功しそうです。相手の守備をかく乱できるでしょう
健康…大きく崩れませんが過食の暗示があります
西🌂
小凶方位(杜門休囚) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。貴重品の紛失や忘れ物にご注意ください。九星の三碧木星が定位対冲で巡るので、気が大きくなってお買い物が無駄遣いや衝動買いが多くなったり、ギャンブルは誘惑にかられ大勝負に打って出て大敗したりしそうです。
交際運…やや凶。口舌禍が多い方位です。つい口調が強くなったり、余計なことを口にしてもめ事が生じやすいです。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。仕事では、軽率な行為や判断からミスを犯して、上司の叱責を受ける場面がありそうです。交渉事、書類上の不備が見つかって停滞しそうです。勝負事、攻撃にも守備にもどちらかに偏りすぎてバランスを崩します。
健康…精神的に躁鬱が激しく不安定です。急に明るくなったり、突然ふさぎ込んだりしそうです
北西☂️
凶方位(傷門・日破同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は兄弟と官鬼が同会します。お付き合いでの出費が増えたり、交友筋からの借財の申し入れ、投資などの勧誘は凶。お買い物は安い物には訳がありますので、品定め品質チェックを怠りなく。ギャンブルも番狂わせが多く負けが先行するでしょう
交際運…凶。友人同士の争いごとに巻き込まれたり、仲裁に入って苦労しそうです。相手に嘘をつかれたり騙されたり裏切られる場面がありそうです。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。仕事では、同僚のミスの後始末に追われてはかどりません。交渉事、ライバルからの相見積もりに相手が好反応を示し、条件闘争が激しくなりそうです。勝負事、ミスを重ねて苦戦を強いられそうです
健康…物忘れ、ぼんやりして頭をぶつけたり怪我をしそうです
凶方位への処方箋
警戒方位…南☔️、北西☂️
南☔️…南西🌤に方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が東⛅となるように調整して方位除けを行ってください。南は凶意が強いので、吉方位での滞在時間は長めに、また移動には吉刻を利用するとよいでしょう。
北西☂️…効果的な方位除けが難しい方位となります。南西🌤の吉方位を利用して、吉運氣を取り入れてから吉刻を利用して現地に移動するとよいでしょう。
注意方位…西🌂
北東⛅に方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が南西🌤となるように調整して方位除けを行ってください。
氣學・本命星日運
12日注意本命星は、二黒土星、三碧木星、六白金星です。(お出かけの有無にかかわらず凶事発生しやすい一日となります)
二黒土星…本命星は乾宮(金)に泄氣します。宮が日辰の巳(火)から剋を受け日破が重なるので衰運日です。貴重品の落とし物や忘れ物といったトラブル、ぼんやりしていてスリや置き引き等金銭に関わる犯罪に巻き込まれることがありそうです。身の回り、手回り品のチェックを心掛けましょう
三碧木星…本命星は兌宮(金)で定位対冲です。兌宮(金)は日辰の巳(火)より剋を受けるので衰運日となります。お買い物等つい興が乗って思わぬ散財をして後悔しそうです。財布のひもは固くを心掛けてください。
六白金星…本命星は坎宮(水)に泄氣します。暗剣殺が重なる為衰運日となります。親しい交友関係との間に亀裂が生じたり、金銭面で思わぬ出費でストレスを抱える場面がありそうです。人間関係おいては特に言葉遣いや、相手の話をよく聞くことに留意しましょう。
出発吉刻
お出かけに適した吉刻は、辰刻、午刻、戌亥刻です。
氣學・日盤及び時盤では、辰刻の北西、午刻の南北、亥刻の北西に凶煞重なります。同時刻凶煞方位へのお出かけはお控えください
それでは12日が、皆様にとり最幸の一日となりますように!
本日もご覧いただきありがとうございます
(易照が実現したいこと) 来年の四月には、鑑定のお志事を柱として多くの方々のお悩みの解決のお手伝いができています お悩みの解決のお手伝いができ、その解決を自分の事のように喜ぶ自分がいます 鑑定と「五行易」のセミナーなどで日々忙しいものの大変充実した日々を送っています 3年以内に「五行易」ないし運命學に関する本を出版し、読んでいただいた人々の開運、幸せになるお手伝いができ、喜びの感想をたくさんいただいています
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