状況が詳らかに出る五行易
先日こんな相談を受けました。
まだ未婚のお若い女性からの相談。
夜、寝ていると見知らぬ男性から「結婚しよう」と声を掛けられます。
腕をつかましたが、知らない男性なので腕を振りほどいたところで目が覚めます。枕もとの時計を見るとちょうど夜中の2時。
そして枕元においてあるぬいぐるみが自分の頭の真横に倒れていました。
霊障？そんな相談です。
立卦及び卦象
本卦は「山沢損」、之卦「坎為水」を得ました。
本卦は損して得取る、求婚してきた見知らぬ男性の手を振りほどいて断った様子でしょうか？
之卦は志を固める時。
特に用神を定めず卦を概観してみます。
相談者は三爻の世爻です。三爻は「寝床」の爻位が有ります。
兄弟の丑は月建に比和、日併しています。丑は時間支に直すと深夜2時の時間帯です。
世爻の下に子孫が伏神します。子孫はこの場合ぬいぐるみです。ここに卦身が付くので、大切にしてきたぬいぐるみです。
ぬいぐるみは2体あり、世爻の帯びる兄弟をぬいぐるみの片割れと見ます。
子孫の申は月建、日辰の土行から土・生金と生を受ける旺相の「子孫」。子孫は官鬼を剋しますから霊障？から相談者を守った様子です。
二爻に見知らぬ男性（官鬼は女性から見た男性）がいます。世爻の帯びる兄弟は官鬼から剋を受ける形ですからプロポーズされた、強引に手を取られた様子。
しかし、世爻は日併するので爻からの剋は受けませんし、世爻下の旺相の子孫がこれを防いだ様子。
「ぬいぐるみが霊から守ってくれたのでしょうか？」…と相談者。
おそらくそうでしょう。
「誰の意志で？ぬいぐるみに意志が有るのですか？」
改めて卦を眺めてみると、初爻の父母が発動して官鬼を化出。そして父母は世爻下の伏神子孫の申と巳申の合の関係です。
相談者の母親は他界していますから、この場合ぬいぐるみは母親の意志を受けたもの、ぬいぐるみも推さない時に母親から贈られたものです。
母親を表す父母が化出する官鬼、この官鬼を霊障とするならば、母親の意を受けたぬいぐるみが霊障から相談者を守った…そんな感じがしますが、官鬼は応爻に現れ妻財を化出。化出妻財の子(水)は世爻と子丑の合ですから、霊が相談者に対し求婚してきた…そんな様子にも受け取れますが、母親の心理としてはこどもを霊から守った…と言うよりも、相談者に早く幸せになってほしい、そんなお気持ちの表れでもあると思います。
相談内容は霊障？そしてぬいぐるみの意志、気持ち…という珍しい相談ですが、実に相談者を取り巻く状況が巧みに卦に現れています。
この辺りの事象の読み解きが五行易のだいご味であり、やめられない理由です。
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