占的「人生のシナリオは書き換えることができるのか?」
立卦及び卦象
本卦「火地晉」、之卦に「雷火豐」を得ました。
収益的に見ても実に味わい深い得卦です。
火地晉は正午の太陽を象徴する卦、従ってその大意は「進む、進行する」という意味が卦名である「晉(晋)」に込められています。ただし太陽は時間と共にやがては西空に沈むように、生を受けた人間はひたすら死に向かって進む、後戻りできない様子とも読み解けます。
之卦は豊、ギラギラとした燦然と輝く真昼の太陽です。
ただし真昼の太陽を肉眼で見ると目が眩みますし、あるいは特異絶頂に至って己れの分を弁えないと、上爻の爻辞「其の屋(おく)を豊(おおい)にす。其の戸を窺うに闃(げき)として其れ人なし。三歳まで観ず。凶」(盛大な邸宅を構えた。しかし屋内は薄暗く、外から中の様子を伺ってもひっそりとして誰も訪ねる者もなければ人のいる気配がしない。三年たっても誰とも会おうとしない。このような様子は言うまでもなく凶である)
と、人生において晩節を汚した時の惨めな様子を象徴するような爻辞がかけられています。
用神はシナリオですから父母が用神です。
初爻と五爻に再現しています。
共に地支は未(土)で月併と月建と同じ地支。これは月建から受ける作用では最も強い作用であることと、月建の作用は過去や現況に作用すると考えますから、初爻(生まれてきた魂、DNA)の父母は大きな使命、今世において達すべき何かの課題を背負って生まれてきています。
父母の下に子孫が伏神。子孫は夢や希望を意味し、其の生には希望が満ちた明るい未来、可能性に満ち満ちています。
しかし発動する父母は日辰、午日から合されて合住します。火行は官鬼を帯びますから、官鬼=困難やトラブルでしばしば人は逡巡した理立ち往生します
内卦で亥卯未(木局三合)の三合の形が見えます。三合の旺支は妻財の卯(木)で、三爻から人生の半ばに大きな試練が待ち構えています
父母を用神と取ると、忌神は必ず妻財となりますが、ここに卦身がつくところにこの卦の妙味があります。
妻財はお金を意味しますから、三次元という物質世界で生きる我々にとって、食糧、そしてそれを手に入れる手段としてのお金の存在は時として大きな壁となって立ちはだかります。
二爻で原神となる官鬼が空亡します。これは挫折を意味し、人によってはそこで人生そのものを諦めてしまう人もいるでしょう。
しかし父母は五爻で再現します。
今度は日辰から合されて合起、先程とは異なり日辰に背中を押されるように動き出します。日辰は官鬼を帯びますから、困難や苦難を今度はバネにする様子です。
はつどうしてそして同じく原神となる官鬼が発動して別の父母を化出。
つまりここから人生において様々な困難や苦労、あるいはさまざまな分岐点を経て人間は当初予定していたシナリオを自在に書き換えて成長していく事を易の卦は伝えます。
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