https://www.kitihoui.com/%e6%98%93%e7%b5%8c%e3%80%8c%e7%b9%8b%e8%be%9e%e4%b8%8a%e4%bc%9d%e3%80%8d%e3%82%92%e8%aa%ad%e3%81%bf%e8%a7%a3%e3%81%8f%e2%91%b1/
易経「繋辞上伝」を読み解く19
勞(ろう)謙(けん)す。君子、終有り。吉。子曰く、勞(ろう)すれども伐(ほこ)らず、功有れども徳とせざるは、厚きの至り也。其功を以て人に下る者を語る也。徳は盛んなるを言ひ、禮は恭(うやうや)しきを言ふ。謙とは其の恭しきを致して以て其位を存する者也。(繋辞上伝第8章第5節)
前節を承けついで、「地山謙」は沢風大過の大きな「坎」を、凝縮したかのような解釈となります。
というのも、周易において爻の三にあたる三爻が卦の「成卦主」となる卦は珍しく、一方で三爻の地位にありながら位を出ず、控えめであることをこの「地山謙」の三爻では求められるという、非常に危うくも微妙な立場に置かれています。
孔子の真意はそこには無く、時として迫害や生命の危機にある時は、その危機を逃れ、自らの理想を、真理を語るにいたるまで「身を慎み」「時を待つ」ことを否定してはいません。
ゆえに地山謙の外卦「坤」の錯卦は「乾」で、転ずると「天山遯」(この場合外卦は外的要因と考える)となり、この節で「地山謙」を引用した孔子の真意は、「大智」を守り伝えるために、時として表社会から身を引いたとしても、それは決して「己の弱さ」ではない。それも君子の処世術の一つなのだと、「地山謙」の引用を以て力説しているのです。
「五行易」講座開設のお知らせ
「五行易」入門講座開設のお知らせです
↓繋辞上伝を読み解く20↓
易経「繋辞上伝」を読み解く20
易経「繋辞上伝」を読み解く 第8章第6節乾為天上爻「亢龍悔い有り」に、孔子は自身の死後、弟子たちが辿ってしまう悲劇を予見していたのかもいしれません。
コメント