易経「繋辞上伝」を読み解く23
天一地二。天三地四。天五地六。天七地八。天九地十。(繋辞上伝第9章第1節) 「1,3,5,7,9は天の数、2,4,6,8,10は地の数である」
筮竹を用いた立筮の理法とは?
第9章より、繋辞上伝は「筮竹」を用いたその占法の理法の由来を解き明かします
この偶数と奇数の割り振りは伏羲が見、これをヒントに編んだ「易経」の元となった「河図(かと)」と呼ばれた図がもととなっています。
「河図」は、黄河の川べりに立った伏羲の目の前に現れた神馬の表皮の紋様。
その文様から伏羲は八卦(この場合は先天八卦)を思いついたとされます。
この「河図」は四季の巡りと地球の自転による昼夜の巡りを表します。
奇数を陽としたのは冬至から夏至に至る期間は陽氣が増す「陽遁」に当り、偶数を陰としたのは夏至から当時に至る期間は陰氣が増す「陰遁」にあたることと、昼夜の巡りでとらえると、未だ天には太陽が昇らない深夜(一陽)にあっても、大地には前日の太陽の陽の氣がまだ残っていて暖かさが残る。(一陰に一陽が残るので二陰)この天地間のタイムラグを数字で表したものです。
この「河図」の図はそのまま易の「太極図」を当てはめることができます。
太極より陰陽の両儀が生じ、その両義より四象が生じます。この時陰爻(- -)二つ重なる北に六、陽爻(—)重なる西に九が配され、ここに易経の陰爻(- -)を「六」と表記し、陽爻(—)を「九」と表記する由来があります(異説有り)
「河図」の内周と外周の数は必ず対局の数がそれぞれ陰陽対(偶数と奇数の対)になっています。
これは自然環境の構成、五行の相関関係を数を以て象徴しますが、それぞれの数字に五行を当てはめると理解できます。「1=金(天)」「2=土(地)」「3=木」「4=木」「5(10)=土」「6=水」「7=金」「8=土」「9=火」
1と6が対になっているのは「金・生水」を象徴します。2と7の対は「土・生金」、3と8は「木・剋土」、4と9は「木・生火」、5と10は土同士の「比和」であり大地の広がり象徴します。
この数の五行はそのまま氣學の一白水星~九紫火星の五行と一致します。氣學の氣は文字通り「精氣」を表すので各星の「星」は天体を示すのではなく、厳密には「五行の氣」を指します。惑星天体の「水星」「火星」はこの各方位が帯びる精気に由来し、これにちなみ名付けられたものです。
それぞれの奇数(陽数)と偶数(陰数)は左周りに数を増しており、これは地球の自転と公転を表したものです。これは「河図」の下を起点に、左回りにみて、「春夏秋冬」と見ればこれが地球の公転であり、「朝昼夕夜」でみれば地球の自転となります。
そしてそれぞれの外周の数字は、内周の数字に中央の「5」を加えた数字(6=1+5、7=2+5…)です。一方で中央の5は太極の1と2に、両儀の3と4を陽数+陰数(1+4 2+3)を合計した数字であり、この中央の「5」は五行の5でもあり、大地の広がりを示します。それゆえ、5は土の生数であり、ここより外周の6,7,8,9と万物が生じる広がる様子が「河図」で表現されているのです。
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