易経「繋辞上伝」を読み解く㊵
子曰く、書は言を尽(つ)くさず、言は意を尽くさず。然らば聖人の意は、それ見るべからざるか、と。(繋辞上伝第12章第2節第1句)
この節は、ここまで易経を読み解いてきた孔子を含め、易経に触れるものが必ずぶつかるであろう「壁」について、孔子自ら自問自答して、その己が感じた矛盾について論考、解決しています。
「 子曰く、書は言を尽(つ)くさず、言は意を尽くさず。然らば聖人の意は、それ見るべからざるか、と。 」
「私(孔子自身)はこのように考える。書=易経はすでに周の文王や周公であられる旦が、卦象を「辞」として人語に訳された。すでにその訳にあたっては言葉を吟味し、これ以上ということができないぐらい、洗練し尽くされているが、人語は万物をあまねく網羅することはできないのであるから、文王や旦が残した「周易」が至高至上の存在であるというわけではない。
また、易経に込められた真意については、先哲の湯王や禹王、聖人伏羲がそれを卦象を以てさまざまに示されたところではある。しかし易経はそういった偉大な先哲の人智すら超えた存在であるから、いかに聖人と言えど、その精緻、その一寸のほころびもない様を言葉や書として言い尽くす語りつくすことはできないのである。
ならば、我々は周の文王や、周公である旦、またはそれ以前の殷の湯王や夏の禹王、易経を作ったといわれる伏羲の至った真理、真意を量り知ることはできないのであろうか?」
視之不見、名曰夷。聴之不聞、名曰希。搏之不得、名曰微。(それを観ようとしても見ることはできない。これを仮に“夷”と呼ぶことにしよう。それを聞こうとしても聞こえない。これを仮に“希”と呼ぶことに使しよう。その在処所在を探そうとしてもとらえることができない)老子道徳経第14章

これまでの章で読み進んできた易経に、孔子自身が直接的に疑問を投げかける重要な一節です。
卑近な例で、必ずしも「=」で結ぶことのできない引用なるかもしれませんが、この辺りの壁は「政治」というものに関わる人の抱える矛盾に似ています。
大なり小なり、「政治」はそこで暮らす人々を「幸福」に導く使命を持っています。しかし、一方で政治は「権力闘争」であります。なぜならば、現実の政治は極めてそれに携わる人の、体力、資力、精神力を奪う者でもあるからです。
そこには、自身が抱く理想実現の為に妥協と打算に直面する現実の連続であったり、様々な人間の思惑が複雑に絡み合い、その「最悪」の中から「最善」を見出さなければならない妥協の連続でもあります。
これを誰かを説得、説き伏せようと語っても語りつくせず、それを実現するには時には誰かを欺き、誰かを犠牲にする時もある。その過程において、政治に携わる者、関わる者、巻き込まれてしまった人が一度は至る心境に「アナーキズム」があります.おそらくこのアナーキズムの行きつく先に「老子」の思想があります。
しかし、人の生を営むにあたり、周囲との関りを排し、個人として生きるのであれば「老子」の思想、「アナーキズム」は理想であり、一個人の世界観においてはその実現は容易です。しかし、自分以外の集団に身を置いた時、その瞬間にハードルは急に高くなります。

そこに至る前に“易経”に救いの道は示されていないのか?
文王が訳した書物としての易経は、人間社会が発展し、家族が集落を形成し、集落が都市を形成し、都市が国家を形成するという現実の社会(当時の人間社会の発展に照らしあわせた)が描かれています。人語に訳した文王がそれを意図したのかはうかがい知れませんが、人語に訳した時点で“易経”のベクトルが人間世界にその軸足を移してしまった。
それゆえに、孔子がそうではない、本来の易経とは…と繋辞上伝を通じ述べ伝える所、同時に老子が可能な限りの人為をそぎ落とし、本来の姿に立ち戻れ…それが易であり道である…と主張したところに共通する意図、意識を感じます。
人語に訳してしまったがゆえに抱えた“易経”の最大の矛盾、それは「占いのテキスト」としてまとめられたがために、凡百な凡人にとっての関心が、卦辞、爻辞に述べられているところの「吉凶」に集約されてしまうところにあります。

人語に訳された易経は、卦辞、爻辞においてその都度丁寧に「吉凶」を明確にし、その改善策として「悔吝」を示します。しかし易占でそれを得た者、あるいはそれを読む者は、中にはその言葉に安堵、あるいは失望しそこから改善ないし、行動する事、易経を活かしそれを以てより良く生きること、それすらも放棄してしまった物も少なからず居ると考えられます。
「易経」の本質とは、“生成化育”“還元再生”の陰陽の二つの作用、またそれぞれにその陰陽が関わる宇宙法則、そして万物に宿るその法則性を理解し、そこから自身の身の周りを取り巻く事象に置き換えた時に“吉凶(生=生成化育=吉,死=還元再生=凶)”感じ取ることにあります。
ゆえに、易経を活かす者は、それを読んで理解する以前に、“感じ取る”という感覚を養わなければなりません。だから、易経の「下経」の最初に「沢山咸」という「感応、感覚」を象徴する卦が置かれています。
易経の「上経」は先天八図に基づく地球創生、この自然創生の過程を紡いだに対し、「下経」は人間社会の発展過程を紡いだものであるからです。
知性よりも先行して感性がある、これは理性よりも先行する物であり、人間が野生動物同様に、この世界で生きる生物としての本質の一端でもあるでしょう。
まず感じる所の“快”か“不快”か、そこから不快であれば快に至る為に周囲環境を変えることができるのは人間だけであり、それを現実だけではなく未来に求め、未来が現実に至るまでの猶予期間において、不快を快に変えることができるのも人間だけです。
易経がそれを解する人間に傳えようとしているところは、そこに集約され、吉凶=善悪という小さな価値観にとらわれて、その本質を見失ってはならないと、孔子はこの節を以て警鐘を鳴らします。

易照の方位予報 10月29日予報
方位予報図


予報詳報
北🌤
吉方位(休門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。方位地支が妻財を帯び、七赤金星が巡るので好調です。お買い物はお得なセールや割引品が多く、良いお買い物ができそうです。ギャンブルは小金を稼ぎます。ただし方位地支は兄弟の日辰から剋を受けるので、欲をかいて掛け金を積み上げると失敗します。
交際運…吉。会食、飲食を伴うとさらに吉。会話も弾み、楽しいひと時を過ごせます。疎遠になった人間関係、倦怠期を迎えたカップル、撚りを戻すのに吉方位です。
仕事、勝負、功名運…吉。仕事では、周囲からの呪力協力を得やすく、自身の努力以上に物事好調に推移しそうです。交渉事、和やかに物事が進みます。話術が冴えるので、相手の譲歩や妥協を引き出しそうです。勝負事は奇襲や作戦がツボにはまって、想像以上の効果を上げそうです。
健康…大きな崩れはありませんが、過食の暗示があるので注意。
北東☁
吉凶半々方位(生門旺相・五黄殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は兄弟と官鬼が同会します。交友筋からの金銭に関わる相談事、投資に関わる勧誘などの話に要警戒です。官鬼の寅(木)が空亡するのでウッカリ一口乗ると手痛い損失をこうむりそうです。お買い物は安い物には訳があります。購入前の品質チェックを。ギャンブルは番狂わせが多く回を重ねるたびに損失が膨らみます。
交際運…やや凶。交友筋からの金銭に関わる勧誘や依頼事に悩みそうです。方位地支の寅(木)が空亡するので、交友相手の空約束や、約束を破ったり、キャンセルになることがありそうです。
仕事、交渉、勝負運…吉凶半々。同僚の過失やトラブルのフォローに奔走しそう。本業に集中できません。交渉事、ライバルからの条件の提示に相手の気持ちが揺れ動きます。まとめるには妥協や譲歩が必要となりそうです。勝負事、ミスから一転苦境に立たされ、形勢が逆転します。
健康…手足の捻挫やけが
東☂️
凶方位(傷門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は官鬼を帯び空亡します。勧誘や取り込み詐欺に注意。耳触りの良い言葉、華々しいキャッチコピーに惑わされやすいです。お買い物、見た目に惑わされ不要な物の購入、無駄遣いで散財しそうです。ギャンブルは欲をかいて失敗しそうです
交際運…凶。些細なことで感情的になり、口論対立事が発生しそうです。何気ない言葉で傷ついたり相手を傷つけます。カップルは火性が強く特に凶
仕事、交渉、勝負運…やや凶。スタンドプレー、独断専行で周囲から孤立しそうです。交渉事、些細なことにこだわって太極を見誤ったり、もっと重要な点を見落としたりします。冷静かつ広い視野を意識しましょう。勝負事、相手の反撃に熱くなって攻守ともに大味になります。
健康…のどの炎症、喘息の発作等
南西☔️
大凶方位(杜門旺相・日破同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。お買い物、店員の巧みなセールストークに惑わされたり、キャッチコピーに心を動かされやすいです。言うほどの価値や必要性は無く、衝動買いすると後悔します。ギャンブルは勝ったり負けたりの繰り返しですが、結果的に損失が先行します。
交際運…凶。交友筋からの金銭に関わる勧誘や依頼事に警戒しましょう。方位地支の辰は日辰から冲を受けるので、金銭の貸し借りは戻ってこないことが多く、投資勧誘は言うほど利益は出ません。相手に嘘をつかれたり、だまされたりする場面がありそうです
仕事、交渉、勝負運…凶。同僚の過失の後始末や、トラブルに巻き込まれたり、上司の雑用や指示に忙殺されて本業に集中できないでしょう。交渉事、交渉内容不明な点が多いです。面倒でもその都度確認した方が良いでしょう。勝負事、苦戦。味方のミスの影響が後々まで引きずります。
健康…悪寒、風邪をひきやすい方位です
南🌤
吉方位(景門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。お出かけ先でお買い得な情報を入手したり、立ち寄ったお店で思わぬサービスを提供されることがありそうです。ギャンブルは六白金星巡り直感が冴えます。熱くなりやすいので、たしなむ程度に楽しむは吉。大勝負は凶。
交際運…吉。お悩み相談に吉。年長者や先輩のアドバイスに大きなヒントがあったり、勇気づけられそうです。
仕事、勝負、功名運…吉。上司の引き立てや助力助言を得やすいです。リーダーシップを発揮、プロジェクトのリーダー役に抜擢されそうです。交渉事、主導権を握って自分おペースで交渉を進められそうです。勝負事、奇策奇襲よりも正攻法で相手を圧倒できそうです。
健康…大きな崩れはありませんが、高血圧、のぼせの暗示があります。
南西☔️
大凶方位(死門旺相・暗剣殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。お買い物、店員の巧みなセールストークに惑わされたり、キャッチコピーに心を動かされやすいです。進められるがまま、高額な契約を結んでしまったり、結果として高いお買い物をしてしまいそう。ギャンブルは欲が深くなってつい掛け金も大きくなります。回を重ねるt大損します。
交際運…凶。交友筋からの金銭に関わる勧誘や依頼事に警戒しましょう。耳触りの良い投資話などに特に注意。その他、自身が意固地になって相手のアドバイスを素直に聞けなかったり、頑固頑迷な態度が原因で対立事が生じたりします。カップル、夫婦は特に凶。
仕事、交渉、勝負運…凶。同僚や部下の過失の後始末や、トラブルに巻き込まれたりして本業に集中できないでしょう。交渉事、条件の提示にも相手の反応は今一つです。相手の希望とこちらの条件の隔たりが大きく、進展を観ません。一度識り治した方がよさそうです。勝負事、難敵で攻めあぐねます。
健康…転倒やしりもちをついて腰を傷めたり、関節をねんざしたりします
西☂️
凶方位(驚門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。お付き合いでの出費が増えそうな方位です。お買い物、欲しい物、見た目が華美な物等目移り激しく、騒動買いでの散財が大きくなりそうです。ギャンブルは番狂わせで勝ち分を吐き出してしまいそう。
交際運…凶。前科対立の暗示。軽率な言動でとらぶるになったり、お互いの発言に誤解生じやすい。言葉の行き違いの他、通信障害やメールSNSの誤送信に注意。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。部下の勇み足、あるいは自身の見込み違いから思わぬトラブルが生じそうです。交渉事、結果を急ぐあまり相手に足元を見られて妥協を繰り返しそうです。勝負事、油断大敵。相手を甘く見て思わぬ反撃を受けて苦戦しそうです
健康…飲食が原因で胃腸を傷めそう
北西🌤
吉方位(開門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。お買い物は価格交渉が奏功します。想った以上に割引価格で購入できたり、価格以上のサービスを提供されそうです。ギャンブルは三碧木星ガ巡るので、少々熱くなりやすいので掛け金は少額にとどめましょう。
交際運…吉。飲食を伴うと吉。会話も共通の話題で盛り上がり、関係が深まります。
仕事、勝負、功名運…吉。同僚の助力、協力を得やすく大いにはかどりそうです。交渉事、単独よりも複数で臨むと有利です。勝負事、積極果敢な攻勢が相手の守備を乱して優位な展開に持ち込めそうです
健康…大きな崩れはなさそうです。
凶方位への処方箋
警戒方位…東☂️、南東☔️、南西☔️、西☂️
東☂️、南東☔️…効果的な方位除けが難しい方位です。北🌤、又は南🌤の吉方位で吉運氣を取り入れてから、吉刻を利用して移動するとよいでしょう。南東は特に凶意が強いので、可能な限り短時間御滞在にとどめましょう。
南西☔️、西☂️…北西🌤に方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が南🌤となるように調整して方位除けを行いましょう。南西は凶意が強いので、北西吉方位での滞在を長めに取り、吉刻を地要して移動するとよいでしょう。

氣學・本命星日運

29日注意本命星は、一白水星、七赤金星、八白土星です。(お出かけの有無に関わらず驚事発生しやすい一日となります)
一白水星…本命星は巽宮(木)に泄氣し日破が重なるので、運氣がやや低迷します。体調不良を起こしやすいです。季節の変わり目、朝晩の寒暖差が大きいので、服装の調整等体調管理に注意。飲食面でも体調不良を起こしやすいので、慣れないものの飲食は避けましょう。
七赤金星…本命星は坎宮(水)に泄氣します。坎宮(水)は日辰から剋を受けるので運氣低迷の衰運日です。軽率な言動で周囲の人間関係で摩擦を生じやすい一日となりそうです。また金運が低迷するので、大きなお買い物は避けましょう。
八白土星…本命星は坤宮(土)に定位対冲です。暗剣殺が重なるので運氣が低迷します。金銭面では不用意な出費、思わぬ性急に悩む場面がありそうです。人間関係においては、厄介事やもめ事に首を突っ込まないようにSましょう。





出発吉刻

お出かけに適した吉刻は、辰巳刻、申酉刻、亥刻です。
氣學・日盤及び時盤では、辰刻の北東と南西、申刻の北東、酉刻と亥刻の南東に凶煞重なります。
同時刻凶煞方位へのお出かけはお控えください。
それでは29日が、皆様にとり最幸の一日となりますように!
本日もご覧いただきありがとうございます
(易照が実現したいこと) 来年の四月には、鑑定のお志事を柱として多くの方々のお悩みの解決のお手伝いができています お悩みの解決のお手伝いができ、その解決を自分の事のように喜ぶ自分がいます 鑑定と「五行易」のセミナーなどで日々忙しいものの大変充実した日々を送っています 3年以内に「五行易」ないし運命學に関する本を出版し、読んでいただいた人々の開運、幸せになるお手伝いができ、喜びの感想をたくさんいただいています
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