易経「繋辞下伝」を読み解く
履は和して至る。謙は尊にして光る。復は小にして物に弁（わか）つ。恒は雑にして厭(いと)わず。損は先に難(かた)くして後には易し。益は長裕(ちょうゆう)して設（もう）けず。困は窮して通ず。井はその所に居りて遷る。巽は称(はか)りて隠(かく)る。（「繋辞下伝」第７ 章第3節）
「 履は和して至る。謙は尊にして光る。復は小にして物に弁（わか）つ。恒は雑にして厭(いと)わず。損は先に難(かた)くして後には易し。益は長裕(ちょうゆう)して設（もう）けず。困は窮して通ず。井はその所に居りて遷る。巽は称(はか)りて隠(かく)る。 」
「天沢履の卦においては礼を正しく履み行う事である。礼が保たれていれば、人間関係の上下等、その秩序が正しく保たれるので、皆和悦、和合して隅々まで行き渡るのである。地山謙の卦においては謙遜してへりくだることで、その人の徳はますます光り輝くのである。地雷復の卦においては一陽来復。その一陽はほんのかすかな小さな兆しではあるが、物事の善悪を正しく分別するので、小さくとも明確な徳を抱いている様子である。雷風恒の卦においては、周囲がいかにざわつき混乱していても氣にすることなく、超然と守るべき正しい道を墨守している様子である。山沢損の卦においては、徳を積み修めるに不要な物、私利私欲を摘み減らす行為、行動である。始めは困難を伴うが、やがて自我を超越して克服できれば、すらすらと通達するのである。風雷益の卦においては、損卦において超越した自我より、積み増すべき徳をいよいよ盛んにすることである。すでに備わっている徳を増やし豊かにすることであるから、この境地に至ればことさらに人為に頼る必要はないのである。沢水困の卦においてはたとえその身に艱難辛苦が降りかかろうとも、その徳はいよいよ光輝くときであるから、例え先行きが見通せない閉塞の時に遭っても憂える必要はないのである。水風井の卦においては、井戸はその場所より動かすことはできないが、そこより湧き出す水は様々な場所に運ばれて、その恩恵をあまねく施すのであるから、徳を積んだ君子であればその場所に居るだけで自然とその徳が周囲に広まっていくことを表すのである。巽為風の卦においては、風の象であるから、その徳を広めるに何ら象や方法にこだわることなく、自然に柔軟に、しかも方位や方向を定めず、かつその徳を広めるにあたり何か痕跡を残すことがない。易経の摂理に最も近いといえるのである」
易経が示す目標とすべき生き方、歩み方
原文はわずか三行余りでありますが、これを解釈するには実に言葉を尽くさないと小人には理解しがたい内容です。
前節を承けて「履・謙・復・恒・損・益・困・井・巽」を修徳の手順段階を説きます。
天沢履においては、理屈を抜きに行動や規範をその身に習得する。体で覚えることです。教育者として名高い森信三先生は、子どものしつけは歳に「つ」が付く間に終えなさい…と説いておられます。
１歳から9歳まではその歳を「ひとつ、ふたつ…ここのつ」と数えられるので、子どもは親のしつけ言いつけに従います。しかし10歳にもなると自我が芽生えてきて次第に大家の言うことを聴かなくなる。人生において天沢履の段階は1歳から9歳のころまでを表します。
地山謙いおいては自我が芽生え、一方で親に甘える一方、親より賞賛や認めてもらいたい承認欲求が強まる時期。一方で欲望を制し我慢を覚える時期でもあります。また次の地雷復においては、いよいよ家族以外との関りが深くなってくる時期でもあり、交友筋から道徳に反する悪い誘いを受けることも多くなります。
この段階において、小悪を許さず小さくとも善徳を積み上げること、その心根の方向性をしっかりと定める段階です。
幼少のころに培った確固とした善徳、善心があれば年齢を経て更に道徳的に反する誘いや、事象に遭遇しても心が揺らぐことなく、進むべき道を迷うことなく履み進むことが出来る。これが雷風恒の段階であり、年頃は成人を迎えいよいよ社会へと足を踏み出す段階にあります。
社会的な活動や、周囲の人間との関りもより複雑に、思惑が絡み合う社会において、超然とその自我や私利私欲をコントロールできれば、周囲から一目置かれる存在となるでしょう。山沢損の卦においては、そうした自身の欲望のコントロールを習得する段階であり、さらに一歩進めて風雷益においては公益ということに意識を向け、実践する段階にあります。人生に例えるならば働き盛りで熟年に至るころでしょう。
沢水困は男性であれば厄年、40前後。このころ無意識に積み上げてきた悪弊がトラブルや支障事となって身に降りかかるころ。しかし、それまで積み上げてきた徳心が確固たるものであれば、身を亡ぼすような大事には至らず、自身に反省、咎める心があれば、易経の言う所の「悔い亡ぶ」です。
水風井では、様々な経験や苦難困難を経てもそれまで積み重ねてきた徳が“”足るものであれば多少の事では動じない、不動心を養うことが出来る。熟年を経た人生における練達の士です。
おそらく、小人であってもここまでは年齢を重ねていれば誰でも到達できる段階にある。しかし最後の巽為風の段階は、小人ではなく君子に至らねば、年齢を経ても到達できる段階にありません。
孔子がこの章で詳説する「履・謙・復・恒・損・益・困・井・巽」の９卦。この「９」に妙味があり、９は陽の成数であり、陰陽統合の完成の数でもあります。
後氣學でも用いる後天図、氣學の盤において「９」九紫火星の定位である離宮(火)は、自身の本命星が盤をめぐる9年サイクルの締めくくりの宮であり、本命星は離宮(火)に回座する時は、良くも悪くもそれまで過ごしてきた9年間の集大成が現れる年として解釈します。
氣學における離宮(火)の象意は、それまでの家族運、仕事運、財運といった世俗的な物から超越して、名誉や名声を司る宮でもあり、実より名を重んじる象意があります。
この9になぞらえるならば、風雷益から巽為風に至る過程において、益卦までの8つの段階において抱いていた自我を超越した枯淡の境地。老子はこれをこのように表現する。
ここをもって聖人は、その身(み)を後にして而(しか)も身は先(さき)んじ、その身を外にして而も身は存(そん)す。その無私なるをもってに非(あら)ずや。故に能くその私(わたくし)を成す。（老子道徳経第7章）
「”道”を知った聖人はわが身を後回しにしながら周囲に推されてその身は人の前に立ち、わが身を人の外側に置きながら周囲に推されてその身は人の中心にある。これはその人が無私無欲であるからではないだろうか。無私無欲であるからこそ、自分をつらぬいていけるのだ。」
近いですが、孔子の言わんとしているところは更に高い所を指し示します。老子の言葉にはまだそこに「人為」を感じるからです。
孔子の指摘する「巽為風」は、風が風を呼ぶように、その人が風を起こすのではなく既に起きた風が風を呼ぶ、聖人君子が成した功績、遺したものが後代に次々と自然に受け継がれてゆく。その風は聖人君子が残さんと意図したところを遥かに超えて、後から来るものが自然とそれを受け継ぎ、さらに後代に伝えるという循環を見出すからです。
易経の陰陽の働きは、大いなる生の循環であって、陰も陽もその功績をひけらかしたり、誇ることなく淡々とその業を成します。果たして人間がたどり着ける境地かはわからないけれど、それでもそこを目指すべきだと、孔子はその遥か高い頂きへと導いているのです。
易照の方位予報 2月3日予報
方位予報図
予報詳報
北⛅
小吉方位（景門休囚） お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。方位地支の子孫を帯び二黒土星が同会します。お買い物は日用品や食料品といった買回り品にお買い得品が多くありそうです。ギャンブルは好調ですが二黒土星が回座するので、掛け金は少額で楽しむ程度にとどめましょう。
交際運…吉。飲食を伴うと吉。誰かに何かを依頼する、お願いするといったことに適しています。相手も協力的に応じてくれるでしょう。相談事、良いヒントが浮かんだり、思わぬ助力助言をもらえそうです。
仕事、交渉、勝負運…吉凶半々。仕事では、日ごろの努力が成果を上げたり、部下の活躍で大きく進展しそうです。交渉事、結果を出そうと躍起にならず、淡々と相手の話を聞いたり、相手に寄り添う姿勢が高評価を得そうです。無理に結果を求めず長期的な視点で取り組むと良いでしょう。勝負事、奇をてらわあず正攻法で臨むと結果が出そうです。
健康…胃がお疲れ気味。暴飲暴食は避けて
北東☂️
凶方位（杜門旺相） お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は寅が妻財、丑は父母を帯び九紫火星が同会します。物欲が強くなり、お買い物は欲しいの欲が理性を先行し衝動買いに走りやすい方位。ギャンブルも九紫火星が巡りますので、のめりこんでは負けを重ねて大敗する凶方位です。
交際運…凶。何かとすれ違いの多い方位です。メールやSNS発信の内容を誤解したり、些細な言葉に過剰に反応してもめ事や口論が発生しそうです。
仕事、交渉、勝負運…凶。仕事では、取引相手からクレームがついたり、業務上の過失で上司から叱責を受ける場面がありそうです。交渉事、相手の反応が鈍くつい説明も熱を帯び勢いで行け異なことを口走ったり、口約束を交わしてしまい問題となりそうです。書類上のミスなどにも注意。勝負事、スタンドプレーが目立ちチームワークを乱しそうです
健康…腰痛や関節の炎症、手足の火傷
東☂️
凶方位（傷門旺相） お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は妻財を帯び四緑木星が同会します。勧誘や宣伝に心を動かされやすいです。お買い物、派手なキャッチコピーに騙されたり、巧みな勧誘に丸め込まれて無駄遣いをしそうです。ギャンブルは思わぬ勝利を収めることもありますが、出入りが激しいので掛け金の上昇に気を付けましょう。
交際運…凶。軽はずみな言動が口論となったり、つまらないことで衝突したり会話がかみ合わず盛り上がりません。
仕事、交渉、勝負運…凶。仕事では部下の過失や、自身の見込み違いから停滞しそうです。交渉事、相手から逆提案され判断に悩む場面がありそうです。勝負事、とっさの判断力が鈍ります。攻め時に決断できずチャンスを逃すことがありそうです
健康…胃腸がお疲れ気味、暴飲暴食は避けましょう
南東☁
吉凶半々方位（生門・五黄殺、日破同会） お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は官鬼と父母を帯びる五黄殺方位です。貴重品の紛失や盗難に注意。お買い物は宣伝や勧誘に心が動かされやすいです。悪質なキャッチセールスに引っかからなうように財布のひもは固く。ギャンブルは、勝ったり負けたりの繰り返し。トータル的な収支は赤字で終わりそう。
交際運…やや凶。相手に約束を破られたり、キャンセルされてしまうことがありそうです。通信障害やメールの不達、誤送信などにもご注意ください。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。仕事では、上司から雑用を言いつけられたりしてはかどりません。交渉事、条件にクレームがついたり、書類上の不備を指摘されたりしそうです。勝負事、ミスから自滅。チームとしてもまとまりを欠きそうです。
健康…急に体調を崩しそうな方位。風邪をひきやすく、急な発熱や機関誌やのどに違和感を感じそうです
南🌤
吉方位（休門旺相） お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。方位地支は官鬼を帯び一白水星が同会します。お買い物、価格交渉が奏功します。商品の欠陥や小さな傷に氣が付いて、それを条件に有利な交渉ができそうです。ギャンブルは勝負運強く勘が冴えます。
交際運…吉。新たなご縁を結んだり、出会いのチャンスがあります。喧嘩中のカップルは仕切り直しに吉方位。
仕事、交渉、勝負運…吉。仕事では、多忙ですがい努力の分だけ成果が実る方位です。多少のトラブルも冷静に、柔軟に対応すれば問題ありません。交渉事、やや難航が予想されます。地道な説明やプレゼンが奏功するでしょう。多少の妥協は覚悟しましょう。勝負事、奇襲や作戦にこだわらず地道で堅実なプレースタイルがチャンスを呼ぶでしょう
健康…目の充血や目に異物が入る。アレルギー性の鼻炎など
南西🌤
吉方位（開門旺相） お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。方位地支は父母と兄弟を三碧木星がが同会します。常用の物よりワンランク上の高級品にお買い得な情報を得たり、思わぬ掘り出し物を見つけそうな好方位です。ギャンブル運も好調で臨時収入が期待できそうですが、のめり込みやすいので引き際を見極めましょう。
交際運…吉。お悩み相談に吉。交友筋、先輩や年長者から思わぬ援助や助言を得られそうです。
仕事、交渉、勝負運…吉。仕事では、心身共に充実、前向きに取り組めそう。上司や周囲からの評価や信頼もUPします。交渉事、ライバルとの条件闘争が激しくなりそうですが、積極的な姿勢や熱意が相手の心を動かしそう。勝負事、正攻法で攻守とも相手を圧倒できそうです。
健康…大きく崩れることはありません
西🌂
小凶方位（驚門休囚） お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は兄弟を帯び八白土星が同会します。お買い物は物欲が先行、目移りしたり、お買い得な商品が目白押しで衝動買いに注意な方位となります。ギャンブルは欲に目がくらんで回数を重ねるたびに掛け金が大きくなります。足元をすくわれて大損しそう。
交際運…やや凶。意見にすれ違いが多く会話もかみ合いません。相手の些細な言動が氣になって感情的に反応してしまいそうです。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。仕事では、同僚と意見は方針をめぐって対立しそうです。チームワークが乱れて、滞ったりします。交渉事、提示の条件に相手の反応は鈍く、まとまりません。ライバル有利です。勝負事、難敵で攻めあぐねそう。集中力を切らしてミスを犯しそうです
健康…口周りや口内のケガ、歯痛、歯槽膿漏等
北西☔️
凶方位（死門旺相・暗剣殺同会） お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は父母と子孫を帯び七赤金星が同会する暗剣殺方位です。貴重品の落とし物や忘れ物が多い方位です。お買い物は財布のひもが緩みがちで、気が付けば大散財で後悔しそう。ギャンブルは勘が空回り、硬い本命を落して調子が狂いそうです。
交際運…凶。舌禍対立の絶えない凶方位。お互いに誤解から口論やあら争議とが続発しそうです。
仕事、交渉、勝負運…凶。仕事では、部下の過失や判断ミス、必要書類の紛失、メールの誤送信や未達で問題が発生しそうです。交渉事、相手に結論を先送りされたり、はぐらかされたりしてまとまりにくいです。勝負事、自軍のミスで一転して大苦戦を強いられそうです
健康…慣れないものを食べておなかを下しそう。ノイローゼ、高血圧等
凶方位への処方箋
警戒方位…北東☂️、東☂️、北西☔️
北東☂️、東☂️…効果的な方位除けが難しい方位です。南🌤か南西🌤の吉方位を利用して吉運氣を取り入れてから、吉刻を利用して現地に移動するとよいでしょう。または滞在に時間は短めに、その後南か南西の吉方位に移動して運気の回復を図ってください。
北西☔️…南西🌤に方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が北⛅となるように調整して方位除けを行いましょう。北西は凶意が強いので、吉刻を利用して現地に移動するとよいでしょう。また、南西🌤の滞在時間を長めにお取りください。
注意方位…西🌂
南西🌤に方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が北⛅となるように調整して方位除けを行いましょう。
氣學・本命星日運
3日注意本命星は、一白水星、五黄土星、七赤金星です。（お出かけの有無に関わらず凶事発生しやすい一日となります）
一白水星…本命星は離宮(火)に定位対冲、離宮(火)は日辰から剋を受け日破が重なる衰運日です。体調を崩しやすく、無理は禁物です。また注意力散漫で事故を起こしたりしそう。行動は慎重を心掛けましょう。
五黄土星…本命星は巽宮(木)より剋を受けます。日破が重なる為運気低迷の注意日です。金運が良くありません。氣ばかりが大きくなって見栄を張って散財したり、うっかり貴重品を紛失したり忘れたりしそうです。出発前に手回り品を確認しましょう。
七赤金星…本命星は乾宮(金)に比和しますが、暗剣殺をかかえます。人間関係でのトラブルを抱えやすいです。とくに言動は注意。貴重品落とし物にも気を付けましょう
出発吉刻
お出かけに適した吉刻は、丑刻、辰刻、午未刻、戌亥刻(亥刻大吉)です。
凶方位への出発は午前は8時前後、午後は正午から2時前後が良いでしょう。
氣學・日盤及び時盤では、午刻の南東と北西、戌亥刻の南東に凶煞重なります。
同時刻凶煞方位へのお出かけはお控えください。
それでは３日が、皆様にとり最幸の一日となりますように！
本日もご覧いただきありがとうございます
(易照が実現したいこと） 今年の四月には、鑑定のお志事を柱として多くの方々のお悩みの解決のお手伝いができています お悩みの解決のお手伝いができ、その解決を自分の事のように喜ぶ自分がいます 鑑定と「五行易」のセミナーなどで日々忙しいものの大変充実した日々を送っています 3年以内に「五行易」ないし運命學に関する本を出版し、読んでいただいた人々の開運、幸せになるお手伝いができ、喜びの感想をたくさんいただいています
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