易経「繋辞下伝」を読み解く㊾
「将に叛かんとする者は其の辞慙(は)じ、中心疑う者は其の辞枝(わか)る。吉人の辞は寡(すくな)く、躁人(そうじん)の辞は多し。善を誣(し)うる人は辞游(うか)び、其の守りを失う者は其の辞屈(かが)む」(繋辞下伝第12章第7節)
「将に叛かんとする者は其の辞慙じ、中心疑う者は其の辞枝る。吉人の辞は寡く、躁人の辞は多し。善を誣うる人は辞游び、其の守りを失う者は其の辞屈む」
「今まさに道義に反するようなことを行おうとする者の言葉には、心のやましさを感じさせ卯“恥じ”を感じさせる。心の中に迷いがあって悩みがある者の言葉は、一環としておらず、二転三転する。徳のある立派な人物の言葉は少ない言葉でその真理を言い当てる。徳が少なく底の浅い人物は、言いつくろうことに終始するので、口数が多くなる。善人を誹謗して貶めようとする者は、出まかせばかりでその言葉に重みが無い。守るべき信念や志を失っている人は、その言葉にも節操がなく信頼が置けないのである。(したがって、易の爻辞もこのようにその卦象の爻位が、人間関係における情緒を表す物であるから、占って得た爻の爻辞をよくよく味わって解釈すべきである)」
易経に見る老子と孔子の思想の共通性
孔子が繋辞上伝・下伝で指し示す“聖人”と、老子がその著書の中で示す“聖人”のその対象は同じです。易経を生み出した伏羲、更にその節理を以て万民を教導した尭・舜・禹等の賢王です。
孔子も老子もその思想の中で人間が究極的に目指す存在として「聖人」をあげるが、そのアプローチは正反対であることは過去の読み時で指摘したところです。
ところで、繋辞下伝の最終章であるこの一節、孔子の述べることと同じようなことを老子は指摘しています。
「真言は美ならず。美言は真ならず。善なる者は弁ぜず、弁ずる者は善ならず。智者は知らず。知る者は智者ならず。聖人は積まず。ことごとく人の為にし、己はいよいよ有す。ことごとく人に与え、己いよいよ多し。天の道は、利して害さず。聖人の道は為して争わず」(老子道徳経81章)
「真理を表す言葉は決して耳触りの良い言葉ではない。耳触りの良い言葉は真理ではない。善人は口数は少ないし、口数が多い物に善人は居ない。本当の智者は知識をひけらかすようなことはしないし、その知識をひけらかすような人物は本当の智者とは言えない。
聖人は己のために積み増すようなことはしない。ことごとく人のために尽くしていながら、結果としてますますその人徳が積み増されていくのである。ことごとく人に与えながら、結果自身が多く持っていることとなる。天道とは何かを利することに終始して、何かを害するようなことはしない。聖人の歩む道も何かを成すうえで誰かや何かと争うようなことはしないのである」
老子の述べるこの81章もまた、老子の著書「道徳経」の最終章です。
老子も、孔子も易経に対するその理解は、陰陽の作用、則ち宇宙の法則は、陰の作用も用の作用もその方向性は「生成化育」にあり、またその作用を決して誇示したり、誰かに強要するようなことはしない…であり、その易経の摂理に通達しその摂理を以て万民、万物を利する聖人の域に至るまで、自身を高めるべきだ…と究極の目標に聖人を充てます。
孔子はその聖人に至るまでの過程を「君子・大人」とその過程を明確にし、その域に達するための手段や方法を厳格に定めます。これが儒教、論語の厳しさであり優しさでもあります。
一方で老子は究極目標としての聖人は掲げつつ、その過程を強要したり、その手段や方法には寛大ですが、これが老子の優しさである一方で厳しさでもあります。
易経という捉えどころのない真理を目の当たりにした時に、孔子の述べる所は厳格であるが一方で明確にその方向性を示すので、易の示す道筋の手がかりがつかみやすい。一方でそのその遠大な行程に時として凡人はため息をついてしまいます。
老子の述べる所はその方法も自由であるし、厳格に拘束するものではないので、老子の道を歩む者には容易く着手できる一方で、その道程や方法は明瞭に示されないために、時として凡人は不安に駆られてしまいます。
易経の教えは、結果として何かに固執したり、何かに捕らわれることを嫌います。従って孔子の説く方法が正解でもないし、老子の説く方法もまた正解ではありません。
大切なことは“問う力”
房主は周易と五行易の垣根は存在しないと考えます。
大切なのはその時、その瞬間に「答え」を得たい…と願う刹那の強い思い、“念”ですから、その思いさえしっかりと明確であれば、得られる卦象を以て周易的な解釈、五行易的な解釈どちらをもってしても共通の答えを得ることはできるのです。
易占に携わる者として常々感じることは、
易経は本であって読むものに非ず
思想、哲学であって学ぶものでは無い。
本を読むにしても、易経に学ぶ…にしても、何かそこにしがみつくような執着や、依存性を感じさせます。
本当に易経の摂理を体得したいのであれば、書として読む、学ぶという具体的な行動よりも先に「感じる」という感性が大切です。
真理を得たいと易経に真正面から向かい合い、追及すると磁石の同じ極同士が離れあうように、追い求めてもその真理はするすると離れていってしまいます。
それよりもむしろ、易経は常にそこにある、誰もが息を吸ったり、水を飲むような行為と同様に、ごく当たり前の存在として身近に“感じる”程の距離感で相対する時、フッとその真理、その答えが目の前に示されるのだと思います。
「入力不力」(あいだみつを)
何かに悩んだ時、躓いた時に「どうすべきか?」という“問い”を強く心に念じ、その後はその答えが自然ともたらされるのを悠然と待つように易経に相対した時に、必ずその答えは示されます。
それは必ずしも言葉とは限らず、肌で感じる風の存在、風が運ぶ花や草木の香り、あるいは鳥のさえずりや遠くで轟く雷鳴かもしれません。
その感覚、その感性を鋭くするところに易経の理解を深化させるヒントが隠されていると感じているところです。
易照の方位予報 3月27日予報
方位予報図
予報詳報
北☁
吉凶半々方位(驚門休囚・青龍同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は父母を帯び九紫火星が定位対冲で巡ります。お買い物は気が大きくなりがちで衝動買いの多い方位。ギャンブルものめりこんで負けを重ねそうです
交際運…やや凶。感情的になって、相手の何気ない言葉や行動が氣に障りそうです。
仕事、交渉、勝負運。…やや凶。仕事では、良いアイデアが浮かぶも企画倒れ。スタンドプレーが目立って周囲から孤立しそうです。交渉事、相手から難問を突き付けられたり、言葉の意味を取り違えて熱くなりそうです。勝負事、相手の反撃に熱くなって攻撃も守備も大味単調になりそうです。
健康…火傷、耳鳴り、中耳炎、アレルギー性の鼻炎など
北東☂️
凶方位(死門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は妻財と兄弟を帯び七赤金星が同会します。交友知人筋からの甘いお誘いに要注意。お買い物では見栄え、見た目に騙されて二流品を買ってしまいそう。ギャンブルは番狂わせ多く、勘が鈍りそうです
交際運…凶。相手の嘘をつかれたり、裏切られる場面がありそうです。カップルは相手の浮気の疑惑を持ってもめそうです。
仕事、交渉、勝負運。…やや凶。仕事では、安請け合い、軽口を叩いて周囲や上司の信用を失いそうです。交渉事、軽率な言動、口約束に注意。勝負事、油断大敵、相手をみくびって。苦戦しそうです
健康…食あたり、暴飲暴食に注意。軽率な行動から転倒したり、手足を捻挫しそうです
東🌤
吉方位(景門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。方位地支は兄弟を帯び二黒土星だ同会します。お買い物では交友筋の伝手で値引き交渉が成立したり、限定品入手のチャンスがありそうです。但しぼんやりしていると、不良品を買わされたりします。お買い物は十分な品定めを。ギャンブルは少額であれば吉。
交際運…吉。悩みごとの相談に吉。交友筋から助言助力を得やすい吉方位です。カップルは火勢が強いので凶。
仕事、交渉、勝負運。…吉。仕事では、周囲同僚の協力を得やすい方位です。チームワークを発揮して難問題も解決に導けそうです。交渉事、ぼんやりして相手の重要な話を聞き逃してしまう面がありそうです。。勝負事、相手のミスによりチャンス到来。
健康…大きく崩れませんが、過食による胃痛、消化不良に注意
南東☔️
大凶方位(杜門・暗剣殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は妻財と子孫を帯び、三碧木星が同会します。貴重品の紛失、忘れ物多い方位です。お買い物もギャンブルも見込み違いで大失敗しそうです。盗難や金銭に関わる詐欺などの犯罪に巻き込まれないように注意。
交際運…凶。双方の誤解が多く、口論が絶えません。口調もつき強く感情的になりがちです。
仕事、交渉、勝負運。…凶。仕事では、自身の意志や努力に結果が付いてこず、失望感を味わいそうです。焦燥感ばかりが募って空回りしそうです。交渉事、勇足からのミス、思わぬクレームとなり立ち往生しそうです。勝負事、当てにしていた作戦や奇策が空転し苦戦しそうです。
健康…ヒステリー、神経の躁鬱激しい、パニック障害
南🌂
小凶方位(傷門休囚) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は子孫を帯び八白土星が同会します。ギャンブルは勝負運強くまずまずですが、序盤の勝利に目がくらんで引き際を誤らないようにしましょう。お買い物、希望の物は見つかりますが予算オーバーであったり、思っていたよりも価格が高そうです。
交際運…やや凶。お互いの意見に食い違いがあったり、相手の言葉尻を捉えて衝突する場面がありそうです。飲食が良い気分転換となりそうです。
仕事、交渉、勝負運。…やや凶。仕事では、物事を甘くも積もっていたり、当てが外れて滞りそうです。同僚と意見が食い違ったりしそう。交渉事、双方の意見の隔たりが大きく水が埋めきれません。勝負事、難敵で苦戦。少ないチャンスをいかにものにするかがカギ
健康…手足の火傷、腰痛や関節の炎症など
南西🌤
吉方位(生門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。方位地支は官鬼を帯び一白水星が同会します。ギャンブル運が好調です。勘が冴えて一儲けできそうです。お買い物も目的のものはすぐには見つかりませんが、複数個所をめぐると見つかりそう
交際運…吉。お悩み事の相談に吉。良いアイデアが浮かんだり、助力助言が得られる好方位。
仕事、交渉、勝負運。…吉。仕事では、良いアイデアが浮かんだり、多少のトラブルも冷静、柔軟に対処できはかどりそうです。交渉事、胸襟を開いた本音の議論意見を交わしあって、距離がぐっと狭まりそうです。勝負事、攻撃も守備でも相手をほんろうして終始有利な展開に持ち込めそうです。
健康…大きく崩れませんが、目に異物が入ったり、多少耳鳴りに悩むことがありそうです
西☀
吉凶半々方位(休門・日破) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉凶半々。九星は六白金星、方位地支は官鬼が同会します。ギャンブルは勘が空回り、固い本命を落として調子を崩しそう。お買い物は気が大きくなって財布の紐も緩みがち。大盤振る舞い、衝動買い、無駄遣いに注意しましょう
交際運…やや凶。相手都合で約束がキャンセルになったり、予定が変更になりそうです。冗談のつもりで言ったことが、相手が真に受けてトラブルに発展しそうです。
仕事、交渉、勝負運。…吉凶半々。仕事では、成果を出そう、リーダーシップを発揮しよう張り切りますが結果が伴いません。空回りして周囲から浮かびあがってしまいそう。交渉事、余計な一言がきっかけに相手の態度が硬化しそう。失地回復に奔走したり、本来不要な妥協や譲歩を余儀なくされる事態を招きそうです。勝負事、相手の奇襲にうまく対応できず、混乱しそうです
健康…精神的な疲労から頭痛やめまいを覚えそう
北西☁
吉凶半々方位(開門旺相・五黄殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は妻財と父母を帯びる五黄殺方位です。お買い物もギャンブルもあまり期待を持てません。氣ばかりが大きくなって散財が多いです。貴重品落とし物、忘れ物に注意。
交際運…やや凶。悩み事や相談事、年長者や先輩が頼りになりそうです。ただし明け透けに何でも自分のことを語りがち、相手が煙たがったり、独断専行が目立ち、カップルや交友関係でのプライベートなお付き合いは、何かとクレームがついたりしそうです。
仕事、交渉、勝負運。…やや凶。仕事では、情報伝達や書類関係にミスがあり、事務処理が停滞しそうです。交渉事、自信過剰、独断専行の一人相撲で空回りしそうです。勝負事、集中力を欠きミスを重ねて自滅しそうです。
健康…食あたり、激しい頭痛、めまい、頭部のケガ等
凶方位への処方箋
警戒方位…北東☂️、南東☔️
北東☂️は効果的な方位除けが難しいので、東🌤、または南西☀の吉運氣を取り入れてから、吉刻を利用して現地に移動しましょう。(北西への方位除けは五黄殺方位となるのでお勧めできません)
南東☔️…南西🌤への方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が東🌤となるように調整して方位除けを行いましょう。南東は凶意が強いので、吉方位での滞在は長めに、また現地への移動は吉刻の利用をお勧めします。
注意方位…南🌂
南西🌤への方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が東🌤となるように調整して方位除けを行いましょう。
氣學・本命星日運
27日注意本命星は、一白水星、四緑木星、七赤金星です。(お出かけの有無にかかわらず凶事発生しやすい一日です)
一白水星…本命星は坤宮(土)より剋を受けます。坤宮は日辰から剋を受けるので運氣は低迷。集中力を欠き、ウッカリぼんやりのミスが多いでしょう。貴重品の忘れもの落とし物に要注意。仕事では、上司の指示を聞き漏らしたり、メールの誤送信、書類の不備など単純かつつまらないミスを犯して滞ります。
四緑木星…本命星は中宮で八方ふさがり・また日辰から剋を受ける衰運日です。何かを成そうとしても邪魔が入ったり、トラブルが発生して思うように進まないでしょう。舌禍の暗示があります。周囲の人間寒けにおいて、言葉遣いに注意しましょう。誤解が多く、言った言わないで言葉尻を捉えての口論が多くなる一日です。
七赤金星…本命星は艮宮(土)から生を受けますが、艮宮(土)は日辰から剋を受け衰運日となります。軽率な行動や言動からミス、事故、トラブルを招きやすいです。金運面では、ストレス解消にと、服やカバンなどを大人買いしたり、暴飲暴食に走ったりします。こまめな気分転換は吉ですが、羽目を外したり、大胆な行動や言動はかえって大きな災いを招きやすい一日です。
出発吉刻
お出かけに適した吉刻は、寅卯刻、午未刻です。
凶方位へのお出かけは、正午から午後は2時前後のお出かけに適しています。
氣學・日盤及び時盤では、卯刻の南東と北西、午刻の西に凶煞重なります。
同時刻凶煞方位へのお出かけはお控えください。
それでは3月27日が、皆様にとり最幸の一日となりますように!
本日もご覧いただきありがとうございます
(易照が実現したいこと) 今年の四月には、鑑定のお志事を柱として多くの方々のお悩みの解決のお手伝いができています お悩みの解決のお手伝いができ、その解決を自分の事のように喜ぶ自分がいます 鑑定と「五行易」のセミナーなどで日々忙しいものの大変充実した日々を送っています 3年以内に「五行易」ないし運命學に関する本「開運のヒント、幸運のピント(仮題)」を出版し、読んでいただいた人々の開運、幸せになるお手伝いができ、喜びの感想をたくさんいただいています
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