暦からの作用②

日盤活断法
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日辰(日)からの作用

暦からの作用(1)
氣學では考慮されていない暦からの影響を重視し、「五行易」における暦の作用を日盤に反映して推断する。これが当サイト独自の推断法です。ここではその観方について解説いたします。

日辰からの「剋」の作用

 「日辰からの剋」を受ける…とは、方位地支の帯びる五行が、日辰の帯びる五行より剋される関係を言います。

 この日盤では、方位地支午(火)が日辰の亥(水)より水・剋火の剋を受けています。この関係を「日辰から剋を受ける」と言います。日辰からの生を受ける項目でも解説しました通り、剋を受けること自体は必ずしも凶を示すものではありません。回座する門の吉凶、氣學凶煞の有無からその意味合いを判断します。

 この日盤では、方位地支が属する離宮(火)に吉門である開門(金)と吉星の天乙が巡っていますので、方位としては吉方です。従ってこの場合、「父母」を帯びる午(火)が剋を受けることは、「父母=悩み」の解消と判断することが可能です。

 こちらの日盤では、方位地支卯(木)が日辰の酉(金)より剋を受けています。この場合、方位地支卯(木)が属する震宮(木)に五黄殺が巡っていますので凶方位です。この場合の剋は、方位地支卯(木)が「妻財」を帯び剋を受けているので、「妻財=金運凶」で出費、散財、損失…といった判断を下します。

 

「六親五類」とは
「六親五類」とは、四柱推命に由来する考え方で、自分を中心に自身に大きく影響を及ぼすであろう近しい肉親を差します。ここではこの六進五類について「五行易」での象意を解説します

日辰からの「合」の作用

 「日辰から合を受ける」とは、日辰が帯びる地支と方位地支が支合の関係を結ぶことです。

 月建の項でも指摘した通り、月日からの合冲は必ずしも良い結果を及ぼすとは考えられません。繰り返しになりますが、吉凶の判断は宮に巡る門の吉凶と氣學の凶煞で判断し、日辰からの合冲が吉凶に及ぼす作用はほとんど無いと、当サイトでは考えています。

 この日盤では、日辰が寅日に方位地支の亥(水)が合されています。宮には休門(水)が巡りこの日の北西は吉となります。方位地支は「父母」を帯び、日辰が帯びる五類は「兄弟」で、兄弟の象意は友人、父母の象意は悩み事や文書、連絡と類推すると、「この方位の友人、またはこの方位に友人と出かけると、友人が親身に話を聴いてくれる」や、「この方位の友人(兄弟)から吉報(父母)が届く」という解釈ができます。

 この日盤では、方位地支の寅が日辰亥より合を受けています。ただし北東はこの日「暗剣殺」が巡る凶方位ですから、この場合は悪い意味で類推します。

 方位地支は「官鬼」を帯び、日辰帯類の五類は「妻財」です。「官鬼」の象意は災難、金融機関、官憲「妻財」は文字通りお金で類推すると、この方位に出かけると「交通違反の取り締まりに遭う(警察官は婦警)」、あるいは「この方位への銀行の融資交渉は不調に終わる」。「妻財」を妻と取れば「夫婦喧嘩」といった事象も類推されます

 支合のうち、巳(火)と申(金)の合は少し特殊です。他の合と異なり巳(火)と申(金)の関係は合の関係であると同時に、火・剋金の剋の関係です。この場合は、宮の旺相の関係から合を優先するか、剋を優先するかを考えてゆきます。この日盤では、坤宮(土)は回座する三碧木星より木・剋土の剋を受けています。従って坤宮は「衰弱している」と断じ、この場合は合よりも剋を優先します。この場合の解釈は、申(金)は「兄弟」を帯び、日辰は「官鬼」、門は生門(土)が巡り吉方位ですから、官鬼は仕事、兄弟はライバル、競争相手で、競合する交渉の落札(ライバルが撤退)という解釈や、お買い物等での価格交渉で値引き可能(兄弟は出費、支払いを意味するが剋を受けるので値引きと解釈)と推断することができます。

 仮にこのようなケースで合が優先される場合は、兄弟(個性)を評価(官鬼)されると解釈したり、

仕事やトラブル発生時(官鬼)、同僚や仲間(兄弟)の助力を得られる…のように解釈します。

日辰からの「冲」の作用

 「日辰からの冲を受ける」とは、日辰が帯びる地支と方位地支が支冲の関係となることです。

 月建(月)からの冲「月破」の作用よりも、日辰からの冲の作用は少し特殊です。なお、日辰からの冲は自動的に氣學凶煞の「日破(破)」を伴いますので凶意に作用します。

 日盤では、方位地支の亥(水)が日辰の巳(火)より冲を受けています。亥(水)は「子孫」を帯び日辰は「官鬼」を帯びます。子孫の象意は子ども、部下としてとり、官鬼は事故や怪我という意味から類推すると。「子ども(部下)が事故に遭う、怪我をする、入院する」といった事象が類推されます。また「子孫」を楽しみ、期待といった意味で類推すれば、「出かけた先でトラブル生じ不快な思いをする」「期待外れで面白くない」という事象が推断されます。

 ところで、日辰からの冲は「冲散」と「冲起」という概念が存在します。ここが「月破」の作用と異なるところで、「冲散」は文字通りご破算、霧散、なくなる…といった意味で解釈します。一方「冲起」は少し独特な解釈で、裏でこっそり動いて作用する…のような解釈となります。冲散か冲起かの判断の基準は、方位地支が月建から方位地支が生じられているか、宮が旺相か衰弱か…で判断します。

 日盤では方位地支の亥(水)は月建が卯(木)で作用はありませんが、乾宮(金)には七赤金星が巡り宮は比和旺相でこの場合は「冲起」と判断します。従って「冲起」の判断を先ほどの事象に当てはめれば、「子ども(部下)がミスを犯して隠ぺいする」「陰口、裏で誹謗中傷を受ける」のような事象が推断できます。

 この日盤では方位地支午(火)は、子月の冲で「月破」に加え、日辰の冲でダブルの破となり「冲散」します。日辰は「兄弟」を帯びるので、「友人との会食(妻財)の約束が反故」「融資交渉が破断」「ライバルの邪魔」といった事象が推断されます。

 「空亡」の解釈

 月建の空亡とは異なり、日辰の空亡は少なからず影響がある物と判断します。ただここでも重要なのは「空亡=凶」という判断とはならないことです。繰り返しになりますが、吉凶の判断はあくまで門と氣學の凶煞の有無です。

 この日盤では、方位地支の申酉が空亡しています。空亡とは本来の力を発揮できない。力不足。やる氣を失っている…のような解釈と、なくなる、解消される…のような二通りの解釈ができます。

申の方位は凶方位ですので、申の空亡は「父母」の五類より類推し、「大切な書類(父母)の紛失」「コミュニケーション(父母)不足」といった事象を類推します。一方で酉の方位は吉方ですからこの場合は「悩みやストレス(父母)の解消」といった事象を類推します。

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