桜田虎門「五行易指南」現代語訳⑥

「五行易指南」現代語訳
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桜田虎門「五行易指南」現代語訳⑥

桜田虎門「五行易指南」現代語訳⑤
占筮法についての解説の章。ただし虎門先生も、手段方法よりも純粋に「知りたい」という真摯な心構えは、用いる占具、手段に勝ると説きます。

巻1 納甲の法

納甲とは、64卦共にそれぞれの爻ごとに十干十二支を配することをいう。「納甲」の言葉の由来は、天干であれば甲乙丙丁…地支であれば子丑寅卯…等を爻ごとに納めるという意味で、(※1)天干の甲の文字を代表して「納甲」と称するのであるが、正しくは「納甲納支」である。

その方法とは、乾為天の卦であれば、地支はこのように納支する。天干はこの時上卦は「壬」を帯び、下卦は「甲」であるから、正しくは初爻が「甲子」二爻が「甲寅」三爻は「甲辰」であり、上卦は四爻が「壬午」、五爻が「壬申」、上爻は「壬戌」と納甲納支する。(※2)

そのほかの63卦も同様に納甲納支するが、納甲表については別途記載したのでそちらを参照されたい。

尚、天干の五行は「甲乙=木」「丙丁=火」「戊己=土」「庚辛=金」「壬癸=水」と配する。

十二支は「子(水)、丑(土)、寅(木),卯(木)、辰(土)、巳(火)、午(火)、未(土)、申(金)、酉(金)、戌(土)、亥(水)」である。

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五行八卦十干十二支方位図

五行の生剋の関係は以下のとおりである。

木・生火、火・生土、土・生金、金・生水、水・生木…以上は相生の関係という。

木・剋土、火・剋金、土・剋水、金・剋木、水・剋火…以上は相剋の関係という。

 

 

 

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天干同士の合の関係は以下のとおりである

甲と己の合。乙と庚の合。丙と辛の合。丁と壬の合。戊と乙の合。

(※3)天干の合の関係は、「甲、丙、戊、丙、壬」を陽の天干(陽干)とし、「乙、丁、己、辛、癸」を陰の天干(陰干)とする。この時陽干を男性、陰干を女性に見立て、天干の合の関係は男女の関係に見立てる。

例えば甲(木)は己(土)を木・剋土で剋すのであるが、この時己を女性に見立て一方で甲は男性であるから、強い甲は弱い立場にある己に憐憫の情をかけて剋すことなく、これを合すると考える。

一方で丁(火)は壬(水)に水・剋火で剋されるのであるが、このとき丁を女性に見立て一方で壬は男性であるから、丁は強い壬に我が身を捧げて尽くすので壬はこれを剋さずに合すると考える。

支合(又は六合という)の関係は以下のとおりである。

子丑の合。寅亥の合。卯戌の合。辰酉の合。巳申の合。午未の合の六つを以て別に六合と称する。

 

 

 

支冲(又は六冲・六衝という)の関係は以下のとおりである。

子午(相冲)。丑未(相冲)。寅申(相冲)。卯酉(相冲)。辰戌(相冲)。巳亥(相冲)を以て冲、または衝朋ともいう。衝とはぶつかり合って散じるという意味である。

(以下本文は納甲表の項であるので、ここでは省略する)

「五行易」における占法の初心者で、「五行易」を速やかに体得したいというのであれば本書の巻1で大略をつかみ、続く巻2を熟読せられたい。その後巻9、10をよくよく熟読すれば「五行易」の占法の大略を心得て、その後占えばおおよその事はその得た卦より読みr取ることができる。合わせて巻3の64卦の大意と、薪から8に至る各占事断法の諸法則を合わせて判断すれば、いかに初心、初学の人であったとしても、十中八九は的中させることができるだろう。

このように回数を重ねて経験を積めば、大体の人は半年ほどで「五行易」の断法や仕組みを理解でき、甚だ五行や各種占學に疎い人であっても一年を経ずして活用することができよう。

もし、「五行易」の淵源を究めて深くその精緻の域に達するということについては、私自身がまだまだその域に達していないので、これを誰かに伝えることはできないので、各々自ら実占の上で試されたい。

巻1のうち、十二支及び五行の分類、六合、六冲と五行の生剋については、「五行易」を学ぶ者にとっては必携の法則であるので、必ず暗記するぐらいの域に覚えるべきである。そうでないと、実占に臨んで大変に不便なことが多い殻である。(巻1・了)

(※1)※1以下は易照補足
(※2)近代五行易においては天干は使用しないので本文を一部改訳しました
(※3)易照補則 ただし近代五行易においては天干を用いた占断は行わないので、干合の概念は省略してしまって差し支えありません。
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