桜田虎門「五行易指南」現代語訳⑩

「五行易指南」現代語訳
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桜田虎門「五行易指南」現代語訳⑩

桜田虎門「五行易指南」現代語訳⑨
六親五類の解説です

巻2 用神の説

用神とはおよそ全ての占いにその人、その物、この事として選定し中心としてみる爻の事を云う。自分の事を占う場合は世爻を用神とし、他人の事であれば応爻を用神とする。父母や叔父叔母、衣服、文書などを占う場合は父母を帯びる爻を用神とし、子孫や甥・姪、門人や弟子の事を占う場合は祖損を帯びる爻を用神とするなどである。

およそ六親を用神とする倍が多いが、占う事によって六親が内包する象意は変わる。例えば天氣を占う場合は、父母爻を雨とし、子孫爻を太陽とし、病を占う時は子孫爻を薬とし、官鬼爻を病症とするなどである。

以降の巻で詳しく解説するが、およそ「五行易」は用神の選定を明確にして占わなければ、的確な占断を下すことができず易者の心を惑わすところである。

求占者より依頼を受けて占う場合は、求占者に変わって筮を取ることになるので、その占事、占的がその人自身の事であるならば世爻を用神とする。この場合は応爻を用神としないので注意が必要である。

特段の依頼なく、特定の誰かの事を占う場合は応爻を用神とする。また、例えばその人の父母の事を占う時、依頼されて占うならば父母を用神とするのであるが、求占者が父母の依頼を受けて、求占者の父母の事を占う時は、求占者の父母に変わって筮を取ることになる、その子(求占者)に変わって筮を取るという意味にはならないので、この場合は世爻を用神とするので、父母を用神としてはならない。その他の場合もこの例に依って類推する。

また、全て婦人や女性の事を占う場合、求占者の父母兄弟や子孫以外の関係の人物である場合は、妻財を用神として応爻を用神に用いてはならない。もし求占者が女性で男性のことを占う場合、 求占者の父母兄弟や子孫以外の関係の人物である場合は、 官鬼を用神として応爻を用神に用いてはならない。

それ以外の場合は全て応爻は、相手の家、あるいは家長の事と見て断じる。これは婚姻の占法と同じである。

またすべての国の元首、または国王や指導者の事を占う場合は五爻を以て用神とし、世爻や応爻、六親を用神として用いてはならない。その他の場合についてはすでに開設してきた六親の象意や世爻応爻の項で解説した通りである。

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