桜田虎門「五行易指南」現代語訳 56

「地天泰」

〇万事、事成就、盛運の時である。盛運が転じ、衰運の兆しがあるけれども自らを慎んでおごり高ぶる所が無ければ盛運の時は長く続く。
〇志高く、篤実な物は大志を遂げる。一驕慢であったり放蕩に身をゆだねる者は禍に遭う
〇諸事和合の時で、百事通じる時である
〇油断大敵な時
〇女難の時
〇物事は守り、余りを減らすが良く、これ以上積み増したり、集めることは良くない。
〇新しい事を始めたり、更に物事を推し進めることは良くなく、家を傾けたり身を亡ぼすような凶災に遭うことがある。
〇天候、雨または曇り
〇人物、落ち着いた人。頭脳明晰な人
〇婚姻、普通。相手の家柄が上である場合は吉。
〇出産妊娠、安産
〇転居、住居。転居は吉。物件も良物件
〇士官就職。吉
〇出行、旅行。吉
〇商い、求財。交易は大いに利益が上がる
〇待ち人、音信。頼りは来る。待ち人は来るが遅刻する
〇病氣、快癒する
〇失せ物、どこかに置き忘れたままになっている。或いは親しい間柄の女性や老人が持っている。
〇探し人、行方をくらまして探しても見つからない。遊び歩いて帰ってこないの類
〇訴訟。凶、速やかに和すのが吉
新井白蛾先生注釈
象を論ずれば貧しきものが富めるものから富を奪う象であるから、この卦を得た時は何事も下ることが良く、物事を推し進めたり、上昇志向に在ってはならない時。何かを増やすのではなく減らすことを意識するとよい時である。
婚姻や男女間は口舌災いの多い時である。物事は落ち着かない時。親しき間にも礼儀あり。親しいを理由に弛緩して礼節を欠く時である。心中に悩み事は多く、外面は平然としていても、心中は不安が多い時である。物事間違いや誤りが多く苦労が多い時である。
願い事は数年と機をまたいでから成就する。
婚姻は夫婦和合だが口舌災いを含むことがある。求財では何かやっていることに誤りや問題がある。病気は治りにくい。失せ物は盗難ではなく、破損の意味がある。あるいは女性は高齢者に聞くとよい。


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