桜田虎門「五行易指南」現代語訳 83

「火沢暌」

○およそのことは和解、一致を見ない時であるが、但し事によっては成ることが多い時。
○人と行動を共にしたり、共同、協力といった物事は支障や妨げが多い。あるいは騙されたり、疑いをかけられても、巽でのところで回避できる吉兆と見る
○家庭内不和、嫉妬や猜疑心で不一致を見るとき
○志を同じくして何か事を成す時は、老父が山に薪を取りに行き、老婆が川に洗濯に行くように役割を分担して進めるとよい時
○他人の助力が得られない時、親しい人から遠ざけられる時
○色ごとは慎みなさい
○天候。晴れたり、雨が降ったりを繰り返す
○人物。文才のある人。誰かと争っている人、独立している人
○婚姻。凶。家庭内不和
○出産。吉凶半々
○住居転居。安住、安定しない
○士官就職、凶
○旅行。吉
○求財。成果が出ない
○待ち人。来ない。連絡濃霧を占う時は有り
○病氣。治りにくい
○探し物。なかなか見つからない
○探し人。見つからない
○訴訟。不利
新井白蛾先生注釈
この卦は人心共に背くという意味があり、何事も成就し難い卦である。ただし学芸に関わることを占ってこの卦を得た時は吉。心身共に苦労多き時。財貨を遺失する時である。恋愛や結婚を占ってこの卦を得た時は凶。その女性は言葉巧みに誘惑する悪女である。何事も障害多く重い道理にならない時。嘘や偽りが多く、だまされやすい時である。内面は兌で喜びを意味し、外面は明智の離であるから、小さなことならば進めて差し支えない。ただし快楽におぼれやすく、本質を忘れやすい時であるので、大きなことは成就し難い時である。従って、才能ある有徳の士ならば大いに成功を収める時であるが、普通の人は成就しない時である。物は寸法が遇わず使い物にならない、鶏や牛馬等の家畜が逃げ出す時。悶える、疑念を抱くという意味があり、家内不和の時。財貨を失う時。探し人は見つからない。帰ってこない。但し音信便りがあることがある。転居移転は差し支えない。出産はやや難、想定外のことがあるが大事には至らない。病気は重篤であっても癒える時である。


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