論語と易経82
天火同人 四爻「其の墉(かき)に乘(のぼ)る。攻むる克(あた)わず。吉。」
季氏、将に顓臾(せんゆ)を伐たんとす。冉有、季路、孔子に見えて曰わく 「季氏、将に顓臾に事有らんとす。」 孔子、曰わく 「求、則ち爾是れ過てること無きか。夫れ顓臾は昔者(むかし)先王以て東の蒙の主と為し、且つ邦域中に在り。是れ社稷(しゃしょく)の臣なり。何を以てか伐つことを為さん」 冉有曰わく、 「夫子之を欲す。吾二臣は欲せざるなり」 孔子曰わく、 「求、周任言えること有り。曰わく、“力を陳(の)べて列に就き、能わざれば止む”と。危うくして持せず、顚(くつがえ)って扶けずんば、則ち将(は)た焉(いずく)んぞ彼の相を用いん。且つ爾の言は過てり。虎兕(こじ)柙(こう)より出で、龜玉(きぎょく)、櫝(とく)中に毀(こわ)るれば、是れ誰の過ちぞや。」 冉有曰わく、 「今夫の顓臾は固くして費(ひ)に近し。今取らずんば、後世必ず子孫の憂いと為らん。」 孔子曰わく、 「求よ、君子は夫(か)のこれを欲すと曰うを舎(お)いて必ずこれが辞を為すことを疾む(にくむ)。丘(きゅう)は聞けり、“国を有ち(たもち)家を有つ者は寡なき(すくなき)を患えず(うれえず)して均し(ひとし)からざるを患え、貧しきを患えずして安からざるを患う”と。蓋し(けだし)均しきときは貧しきこと無く、和すれば寡なきこと無く、安んずれば傾くこと無し。夫れ是くの如し、故に遠人(えんじん)服せざるときは則ち文徳を修めて以てこれを来たし、既にこれを来たすときは則ちこれを安んず。今、由と求とは夫子を相(たす)けて、遠人服せざれども来たすこと能わず、邦(くに)分崩離析(ぶんぽうりせき)すれども守ること能わず、而して、干戈(かんか)を邦内に動かさんことを謀る(はかる)。吾恐る、季孫(きそん)の憂いは顓臾に在らずして蕭牆(しょうしょう)の内に在らんことを。」(季氏第16-1) 季氏が顓臾を征伐しようとした。冉有(ぜんゆう)と季路(きろ)とが先生に拝謁して申し上げた。 「季氏が顓臾に攻撃を仕掛けようとしています。」 孔子がこう述べられた。 「冉有よ、それは過ちではないか。顓臾という邑は、昔、先祖であった国王が東蒙の山神の祭主に決められて、魯国の領域内にある。顓臾は、魯に忠節を尽くす社稷(譜代)の家臣である。どうして顓臾を征伐する正当な理由があるのか?」 冉有が言った。「太夫である季康子様が討伐を欲せられたのですが、私たち二人は反対しております」 孔子はこう述べられた、 「冉有よ、太古、歴史を記録する記録間であった周任の言葉に、“力の限りを尽くして任務に当たり、力が及ばない時には辞退する”というものがある。 主君の危難を見て支えず、主君が倒れても助けないというのでは、いったい宰相の役目とは何なのだ? お前の言葉は間違っている。虎や野牛のような猛獣が檻から逃げ出して、卜占で扱う大切な亀の甲と玉の宝石を壊したとしたら、それはいったい誰の責任であろう?それと同じことではないのか。」 冉有が申し上げた。 「かの顓臾の城郭は難攻不落であり、季氏の持つ費の城に近い場所にあります。 今この機会に顓臾を攻め滅ぼしておかないと、後世になってから魯国の障害となるでしょう。太夫の季康子様はこの様にお考えのようです」 孔子はこう述べられた。 「冉有よ、君子は正直に欲しいと言わずに、別の理屈を以て言葉をもてあそぶような虚偽を嫌うものだ。 私の聞いている言葉に “国を保ちまた、家を保つものは、貧困であることを心配せず、むしろ不平等であることを心配する。貧しいことよりも、人々や家族が安心して暮らしていけないことを気に掛ける” というものがある。 平等であれば貧しさは気にならず、生活が平穏無事であれば貧しいことは気にならない、人心が安定していれば危険はなくなるのである。 このようであるから、外国が服従しない場合には、文化的な外交政策で親しくして来朝(朝貢)させるのである。外国が来朝して交友が深まれば天下は安泰に治まるのだ。 今、子路と冉有は、季氏の補佐をしているのに、外国は服従せず、更に親交を深めて来朝させることもできない。 国家(魯国)が分裂分解しているのに、これを防ぐ事もできない。その上、国内において軍隊を動かそうとまでしている。私が恐れているのは、季氏の危険は、遠くの顓臾ではなく、身近な門の中にあるのではないかということなのだ」
天火同人の四爻は、卦中唯一の陰爻(- -)に惹かれ交流を求めます。しかし二爻と四爻の間には三爻が居て既に二爻と交わっているから四爻にとっては邪魔で仕方がありません。その様子を垣根に上ってみて歯噛みするほか有りません。
この場合の垣根は三爻をそれに見立てます。
一方でその様子を眺めていると、二爻の視線は三爻ではなくもっと遠くの五爻に注がれていて、それは四爻にしてみればますます嫉妬心を燃やす原因となります。
しかしその五爻は今を時めくスターであったり、能力財力共に自身を上回る大きな存在です。とても敵わないと四爻は悟り、冷静になって自らの考えを改める、天火同人の時、もっと広い視点で物事を見、考え、行動しなければならないと自らを戒めるので吉であると爻辞は称えます。
引用の論語の一節。非常に長い節ですが、当時魯国の太夫、季孫子の家宰として仕えていた子路と冉有。これはある意味孔子が魯国の実力者の季孫子の動向を知るべく送り込んだ間諜です。
その結果、孔子は季孫子が魯国に隣接する顓臾という城邑を攻撃しようとしていることを知ります。
その一件をめぐって子路、冉有を諫め、軍事力発動を思いとどまらせようとした孔子の論です。
天火同人の四爻は、垣根に上って交流を求める相手である二爻の様子を伺います。そうすることで三爻の存在を知り、求めるべき相手の二爻の視線の先に居る五爻の存在に気付く。
一方でその五爻は自身がとてもかなわない存在であることを悟り、二爻に向ける自身の気持ちの浅はかさ、視野の狭さに氣付き考えを改めます。三爻同様に四爻には「同人」の辞がなく、広く遍く交流を求める時にあって、その視点が二爻にしかそそがれていない。
同人の時にあってそのような視点や振る舞いは卦徳に背くものです。
孔子は子路や冉有に求めたことは、季孫子の動向を知ることだけでなく、その行動を魯国にとって理想的な方向に操作することを望んでいたのでしょう。
しかし、子路も冉有も実力者の家宰という身分に安住してしまっていることが孔子にとっては残念でならない。あるいは、家宰という身分はもっと広い視野に立って物事を判断し、時には主君を諫め、行動を抑止しなければならないと孔子は弟子たちに諭します。
易経の考え方には、一点細部にとらわれることなく、長い目線、あるいは高い所から物事を見通す俯瞰力を身に付けることにあります。
天火同人の四爻が垣根に上って高い目線から見渡した時、初めて求める相手に取り入っている三爻、あるいは二爻の視線の先にある五爻の存在に気が付いたように、広い視野、目線に立った時に初めて己の立ち位置、あるいは取るべき行動を識ることが出来る。
孔子は弟子たちに、家宰という任務に就く二人の愛弟子に、もっと広い視点、あるいはもっと長い時間軸で物事を考えよ、易的な視野を学びなさい。細部を知る為には小さな点にこだわった視点ではなく、もっと広い視点に立った時に気付く違和感や、危険の兆候に気付くはずだと諭しているのです。
易照の方位予報 2月16日予報
方位予報図
予報詳報
北☁
吉凶半々方位(驚門休囚) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや凶。方位地支は子孫を帯び二黒土星が同会します。ぼんやりしていて忘れ物、落とし物に注意な方位です。出発移動前に手回り品をもう一度確認しましょう。お買い物は宣伝や勧誘に弱く、うかうか乗せられて不要な物を買ってしまいそうです。ギャンブルは勘も冴えず良い所がありません。
交際運…やや凶。交友筋からの金銭に関わる勧誘や依頼事に警戒しましょう。理にくいシチュエーションでも毅然とした態度で応じるべきです。家族では子どものケガや病気に注意しましょう。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。見込み違いや見通しが甘くトラブルが生じたり部下の過失に振り回されたりします。交渉事、相手の歩み寄りや譲歩には何か裏の事情がありそうです。相手のペースに巻き込まれたり取り込まれないように慎重に事に当たりましょう。勝負事、集中力を切らしがちです。相手のパースにはまらないようにしましょう。
健康…胃もたれ、食あたり等
北東☂️
凶方位(死門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は子孫と妻財を帯び九紫火星が同会。日辰巳(火)を帯び火勢が強いです。調子乗りやすく、目移りが多い方位です。お買い物は衝動買いに注意。ギャンブルはすぐに熱くなります。負けを取り戻そうと次から次に掛け金をつぎ込恩では損失が膨らむ悪方位です。
交際運…凶。感情的に成り易く、すぐにカッとなりやすいです。不用意な発言をめぐって口論となったり、感情的に反応してしまいそうです。
仕事、交渉、勝負運…凶。取引先からのクレームや、トラブル発生の折には単独で解決しようとせず、上司や先輩を頼るとよいでしょう。一人で解決しようとしても、焦りや考えが纏まらうパニックに陥りそうです。交渉事、小さなこと、些細なことにこだわり大局を見失いがちです。勝負事、相手の反撃に熱くなってわきが甘くなります。一発逆転を狙っての大技に頼りすぎて守備がおろそかになりそうです
健康…過労からひざなどの間接、腰に痛みを覚えそうです
東🌤
吉方位(景門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。方位地支は妻財を帯び四緑木星が同会します。お買い物は思わぬお得なセールにそう遇したり、たまたま立ち寄ったお店に掘り出し物やお買い得品を発見しそうです。ギャンブルは自分の勘に頼るよりも、予想誌の予想が的中しそうです。
交際運…吉。飲食は特に吉。他愛もない会話で日ごろのストレスをリフレッシュ。ただしカップルは火性が強く、つまらないことで研かとなりやすい凶方位です。
仕事、交渉、勝負運…吉。同僚や部下からの協力が得やすい方位。単独で事を進めるよりも、チームプレーが吉。交渉事、小さな譲歩で大きな成果。こちらから歩み寄る姿勢を見せると、相手から有利な条件を引き出せそうです。勝負事、相手に先手を取らせるとミスを誘えます。
健康…大きく崩れることはありませんが風邪をひいたり、喉を傷めやすい
南東☂️
凶方位(杜門・五黄殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…凶。方位地支は父母と官鬼を帯びる五黄殺方位です。貴重品を入れたカバンなどの置き引き、盗難に注意。貴重品は肌身離さずに。お買い物は傷物、不良品が多いので購入前の品定めは必須です。ギャンブルは出入りが激しく、結果的には負けが先行しそうです
交際運…凶。トラブルが多発の凶方位。交通機関の乱れで約束の時間に間に合わなかったり、連絡を取ろうにも通信障害等で連絡が取れなかったりします。もめ事、衝突事も多く関係が悪化しそうです。
仕事、交渉、勝負運…凶。つまらないミスを犯して上司の信頼を失いそうです。交渉事、書類関係の不備、漏れが無いか再度チェックを。大事な場面で大きな失敗を犯しそうです。念には念を、慎重に再確認しましょう。勝負事、難敵です。攻めあぐね、また焦りからミスも多くなります。
健康…急な発熱や体調不良を覚えやすいです
南☁
吉凶半々方位(傷門休囚・天道・天徳・月徳) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉凶半々。方位地支の官鬼を帯び一白水星が同会します。勝負運強い傷門(木)が巡るのでギャンブルは吉。ひと山当てて臨時収入も期待大、ただし欲をかきすぎると失敗します。深追いせずに利益が確定したところで切り上げましょう。お買い物、お買い得品には訳があります。傷や不良が無いか購入前にチェックしましょう。
交際運…やや凶。秘密や隠し事が露見しそう。親しい間柄に秘密がばれて恥をかきそうです。カップルは浮気の疑いを持ったり持たれたりで、対立しそう。
仕事、交渉、勝負運…吉凶半々。大きなプロジェクトリーダーに抜擢されたり、任されたりしそうです。プレッシャーを感じたり、重圧でストレ祖を抱え込みそうです。交渉事、隠れていた問題、見落としていた問題が明るみに出て、滞りそうです。勝負事、相手の奇襲に悩まされそうです。思い通りに追うれーできず苦戦しそうです
健康…目の充血、耳鳴りや難聴、アレルギー性の鼻炎など
南西☀
大吉方位(生門旺相・太陰) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉。方位地支は父母と兄弟を帯び三碧木星が同会します。お買い物は交友筋の伝手で、特別価格で購入できたり、限定品を入ス出来たりしそうです。ギャンブルも勝つには勝ちますが、調子に乗ってん掛け金を吊り上げると失敗します
交際運…吉。お悩み相談に良い方位です。金銭に関わる問題、仕事に関わる悩み事、特に年長者、親や先輩といった存在が力になってくれそうです。
仕事、交渉、勝負運…吉。同僚や上司の協力、助言を得やすい方位です。トラブル発生時は、相談してみるとよいでしょう。交渉事、条件面ではライバルよりも好条件を提示することができそうです。勝負事、チームワークが勝敗の分かれ目です。接戦展開になりそうです
健康…やや精神的に躁鬱激しく不安定です。
西🌤
吉方位(休門旺相) お出かけした場合の方位事象…
金運…やや吉。方位地支は兄弟を帯び八白土星が同会します。お買い物はお買い得品、期間限定の割引セールなどに遭遇しやすい吉方位。ギャンブルは八白土星が巡り人山当てて臨時収入も期待できます。
交際運…吉。交友筋と会話も弾みきずなが深まる好方位です。関係が悪化していたり、疎遠となっていた人間関係を修復するに良いでしょう
仕事、交渉、勝負運…やや吉。同僚の協力を得やすい方位、また同僚の仕事を手伝ったり、ミスのフォローをすると感謝され、信頼感が増します。交渉事、条件面ではライバルに先んじたり好条件を提示して有利な展開に持ち込めそうです。勝負事、奇策に頼るよりも正攻法が吉。急がずじっくりと当たるが良いでしょう
健康…大きく崩れることはありませんが、転倒して思わぬケガをしやすい方位です
北西☁
吉凶半々方位(開門旺相・日破、暗剣殺同会) お出かけした場合の方位事象…
金運…吉凶半々。方位地支は父母と子孫を帯び七赤金星が同会します。ギャンブルは勘が空回りします。想わぬ勝利を収めることもありますが、かえってのめり込んで儲けた文をそっくり吐き出してしまうということがありそうです。お買い物は耳触りの良い言葉やセールスコピーにはご用心。想わぬ高額品を衝動買いしてしまいそうです。
交際運…吉凶半々。軽率な言動、コミュニケーショントラブルで揉めそうです。特に上下も人間関係においては言葉遣いに注意。
仕事、交渉、勝負運…やや凶。甘い見通し、予想が外れ窮地に立ちそうです。上司から指導を受けたり叱責されそうです。交渉事、口約束や、空約束、その場の勢いで申し出たことが後から問題となりそうです。慎重に事に当たりましょう。勝負事、油断大敵。相手を甘く見て大苦戦しそうです。
健康…虫歯、歯槽膿漏、口内のケガ
凶方位への処方箋
警戒方位…北東☂️、南東☂️
北東☂️…効果的な方位除けが難しい方位です。吉刻を利用して移動するか、一度東🌤の吉方に移動してから現地に移動するとよいでしょう。
南東☂️…南西🌤に方位除けが可能です。吉方位に移動後、現地への移動が東🌤となるように調整して方位除けを行いましょう。
氣學・本命星日運
16日注意本命星は、七赤金星、八白土星です。(お出かけの有無にかかわらず凶事発生しやすい一日です)
七赤金星…本命星は乾宮(金)に比和しますが、宮が日辰から剋を受け日破と暗剣殺が同会します。信頼していた相手から裏切られたり、だまされてしまうことがありそうです。自身も氣ばかりが大きく、金遣いや言動も大雑把になりがちです。特に言動が荒くなると、周囲と軋轢が生じもめ事になりそうです。
八白土星…本命星は兌宮(金)に対して泄氣します。日辰が宮を剋すので、運氣低迷の衰運日です。コミュニケーショントラブルに要注意。不用意な発言が、相手の反発を招きます。金運面では、無駄遣いに注意しましょう。
出発吉刻
お出かけに適した吉刻は、丑刻、辰刻、戌亥刻です。
凶方位へのお出かけは、午前8時前後のお出かけが良いでしょう。
氣學・日盤及び時盤では、辰刻の北西、戌亥刻の南東に凶煞重なります。
同時刻凶煞方位へのお出かけはお控えください。
それでは16日が、皆様にとり最幸の一日となりますように!
本日もご覧いただきありがとうございます
(易照が実現したいこと) 今年も、鑑定のお志事を柱として多くの方々のお悩みの解決のお手伝いができています お悩みの解決のお手伝いができ、その解決を自分の事のように喜ぶ自分がいます 鑑定と「五行易」のセミナーなどで日々忙しいものの大変充実した日々を送っています 2年以内に「五行易」ないし運命學に関する本を出版し、読んでいただいた人々の開運、幸せになるお手伝いができ、喜びの感想をたくさんいただいています
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