今回は、「五行易」の吉凶の占断の仕組みについて解説していきます。
重要なポイントは、占った物事との主事爻となる「用神(ようじん)」と、用神に敵対する「忌神(きじん)」の強弱、暦からの作用です。慣れるまで少し苦労しますが、この仕組みが理解できれば、「五行易」での吉凶判断は8割は出せるようになります。
⇊占い方(卦の出し方)については⇊
⇊東占房開講中の講座のご案内⇊
☯この記事で解説すること☯ 1,五行の相関関係 2,「納甲(なっこう)」 3,用語の解説
「五行易」の吉凶の出し方
1,五行の相関関係
「五行易」では、その名の通り「五行(木・火・土・金・水)」の五行を卦の爻に当てはめその五行の相関関係から吉凶を出します。
五行の相関関係は左の図のようになります。
各爻に五行をあてはめる…とは、出した卦の初爻から上爻すべてに「12地支」をあてはめることで導き出せます。12地支が帯びる五行は以下の通りです。この五行は変わることはなく、方位や季節、月日にも対応しています。繰り返し卦に五行をあてはめているうちに自然と覚えます。
「五行易」とは、この五行の相関関係に基づき、後述する占う目的の中心となる爻「用神(ようじん)」が月日の五行と相性が良ければ吉となり、悪ければ凶と判断することができます
2,「納甲(なっこう)」
次に出した卦に「納甲(なっこう)」という作業を通して、初爻から上爻まですべての爻に「十二支」を割り振ってゆきます。この「納甲」という作業、法則性を理解するのは大変難解で、入門編での解説は混乱のもととなりますのでここでは省略します。はじめのうちは「納甲表」を参考に納甲していきましょう。
⇊納甲表はこちらから⇊
納甲表から卦の探し方を解説をしていきます。
まず出した卦の「上卦」の八卦の形に注目します。
②で出した卦を例に見ていきましょう。
本卦上卦の八卦「巽」ですから、巽宮の首卦から三世卦の中で同じ形のものが無いかを見ていきます
該当する卦はありませんでした。
それでは次に出した卦の「五爻」の陰陽を反転させます。五爻は陽爻(—)ですからこれを陰爻(- -)に反転させます。すると、上卦と下卦が同じ「艮」の形になりました。五爻を反転させて上卦と下卦が同じ形になるのは「帰魂卦(きこんか)」です。「艮」の形で一致しましたので「艮宮」の帰魂卦を見ます。
「五行易」における卦象の変化は以下の法則があります。
艮宮の「帰魂卦・風山漸」と形が一致しました。本卦の納甲はこのまま採用します。(ノートにこのまま書き写します)
次に之卦を見ていきます。之卦の上卦は「乾」です。
一世卦の「天山遯」と一致しました。之卦はこちらを採用しますが、ノートに書き写すのは右側の「12地支だけで」かまいません。
ちなみに五爻の陰爻(- -)、陽爻(—)を入れ替えた時、上卦内卦の形がお互いに陰陽反転する場合は「遊魂卦(ゆうこんか)」で八卦の組み合わせは以下のペアとなります。
それぞれの上卦にあたる八卦の該当する宮の遊魂卦より出した形と一致するかを探します。
それでも見つからないときは、四世卦、五世卦の中から探すことになります。
用語の解説
ここでは「五行易」で吉凶を出す際に抑えておくべき必要な用語について解説します。
「用神(ようじん)」
占う内容に応じて、その吉凶を見ていく中心的な爻(こう)を「用神」と呼びます。基本的にこの用神の持つ五行が、月日五行から生を受けていたり、同じ五行を帯びることは「用神の旺相(おうそう)」で用神には勢いがあることになります。逆に月日五行のから剋を受けていたり作用が無い時は占ったことが「天の時」を得ておらず、「用神は休囚(きゅうしゅ)」していて勢いが無いと見ます。
「忌神(きじん・いむかみ)」
用神が帯びる五行を剋する五行の爻を「忌神(きじん)」と呼びます。用神同様に帯びる五行に対し、月日の作用を見てゆきます。この時月日からの生を受けたり比和する五行を帯びる時は「忌神の旺相」であり、剋を受けたり作用なければ「忌神は休囚」とみなし、用神と同様に勢いを見ていきます。
ここで一度まとめると、月日が用神と忌神にどちらに味方し、用神を忌神を見比べた時どちらに勢いがあるか?ここからで吉凶を断じるのが「五行易」の吉凶の出し方です。
「原神(げんしん)」
用神が帯びる五行を生じる爻を「原神(げんしん)」と呼びます。用神同様に帯びる五行に対し、月日の作用を見ていきます。この時月日からの生を受けたり比和する五行を帯びる時は「原神の旺相」であり、剋を受けたり作用なければ「原神は休囚」とみなし、用神と同様に勢いを見ていきます。
「仇神(きゅうしん・あだかみ)」
忌神の帯びる五行を生じる爻を「仇神(きゅうしん・あだかみ)」と呼びます。。用神同様に帯びる五行に対し、月日の作用を見てゆきます。この時月日からの生を受けたり比和する五行を帯びる時は「仇神の旺相」であり、剋を受けたり作用なければ「仇神は休囚」とみなし、用神と同様に勢いを見ていきます。
「世爻(せこう)」
「世爻(せこう)」占った際の自分自身を表す爻です。入門編での占的は世爻がそのまま用神となることが多いでしょう。また金運を占った時は、財を表す爻と世爻の関係を重視します。旅行占いでは世爻が出発地、自身の運氣などを占う時は世爻の旺相、休囚より吉凶を見ていきます。
「応爻(おうこう)」
「応爻(おうこう)」は世爻に対し相手が対象となる爻です。商売であれば世爻が自分、店に対し応爻はお客を表します。旅行占いでは目的地。相性占いでは世爻が自分自身で応爻は相手となります。
爻の「発動」
占う際に「本卦」と「之卦」二つの卦を立てますが、この二つの卦を見比べた時に陰爻(- -)から陽爻(ー)に変化(陽爻(ー)から陰爻(- -)に変化)している爻を「発動」と呼びます。
発動している爻は「動爻」と呼び、他爻への影響を及ぼすことができます。一方で変化のない爻は「静爻」と呼び、他爻への影響を及ぼすことはできません。
この例では四爻が陰爻(- -)から陽爻(ー)に変化しています。
納甲したものがこちらとなります。この場合、四爻の「兄弟」の未(土)の爻は他爻へ影響を及ぼすことができます。
この時世爻を用神とした場合、四爻は「土・生金と世爻を生じる関係にある原神にあたり、原神の発動は、用神を生じる活動が活発ととり、吉の判断を下すことができます。
今回はここまでです。次回は用神、忌神、原神、仇神への月日の作用と、具体的な占例での吉凶の出し方について解説していきます。
コメント
[…] […]
[…] […]