桜田虎門「五行易指南」現代語訳 106

「風沢中孚」

○占ってこの卦を得た時正直者は吉。不実なものは凶の時
○離れていても心は一つ、互いに感応しあうという意味がある卦であるから、何か誘われたり、請われた時は慎重に考えたうえで応じると良いだろう。誘う側に何か二心が無いというときであるが、余りに鵜呑みにするのも良くない。
○時や距離を隔てて、お互いの気持ちを伝えあうという意味があり、久しく頼りの無かった友や人物から音信便りがあったり、消息を聞いて懐かしく思うときである
○恋愛、誰かを恋い慕うという意味、又は自身が抱く悩みや苦労を心中に押しとどめ誰にも明かさず秘めている様子、あるいは誰かと密談するという意味がある
○心正しく二心、変心無ければ吉
○誰かに信頼されたり、愛されるという意味がある。或いは親しい人のために一肌脱ぐことがある
○物事は誰かに依頼すると成就しやすい時である
○誰かと協力して物事を勧めると成就しやすい時であるが、それがために余計な苦労を負ったり、男女関係では不義密通から女性との間に子どもが出来てしまったり。あるいはその問題の後始末に困窮することがある
○天候は風、日差しが強く雨が少ない、乾燥する
○人物。慈しみ深く、慈悲深い人物。正直者。何か悩み事をかかえている人
○婚姻は吉。但し女性が浮気性の可能性がある
○出産は普通
○住居、安定しないことがあるが大きな問題はない
○士官就職。忠義者は出世重用される
○旅行。普通。水上の移動は吉。
○求財は得られる時
○待ち人。来る。連絡音信がある
○病氣。治りにくい。内臓疾患、体の内側の病氣
○探し物。すぐに探せば出てくる。或いは忘れたころに出てくる
○探し人。居所がわかっていても、駆け落ち相手がいて当人に帰る気が無い時。捜索すれば見つかる
○訴訟。決着が付く卦訴訟に至らないことが多い
新井白蛾先生注釈
誠心誠意の意味があるので、正直者、物事に二心内誠実なことは吉。邪心を抱いてこの卦を得るような時は大凶な出来事に遭遇する。物事は次第に通達する。一心に目標にまい進すれば願いは叶う時。始めは良くなくても次第に良くなる時。嘘偽りのない時なので、双方が相応じるようなことは吉。何かの誘いや勧誘に応じることは吉な時であるが、慎重に対処せよ。転居や移転は吉。求財は風沢中孚から別の卦に変じるような場合は成就しない凶象。別の卦が風沢中孚に変わる卦を得る時は吉。但し口論の多い時である。


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