桜田虎門「五行易指南」現代語訳33

「五行易指南」現代語訳
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桜田虎門「五行易指南」現代語訳32
安静と乱動卦についての説

桜田虎門「五行易指南」現代語訳33

巻2 回頭の生、回頭の剋

回頭の生及び回頭の剋とは、卦において、爻において両方に存在する。

卦の回頭の生とは、乾宮(金)や兌宮(金)に属する卦が、坤宮(土)や艮宮(土)に属する卦に変化する場合のようなことを指す。すなわち本卦が市価より生じられるのである。一方で卦の回頭の剋とは、乾宮(金)や兌宮(金)に属する卦が離宮(火)に属する卦に変化するような場合を指す。則ち本卦が之卦より剋されるのである。(※1)

爻の回頭の生も同じ理論で、例えば亥や子の爻が申や酉の爻に変化するようなことを指す。すなわち本爻の地支が帯びる五行が化爻の地支より生じられるのである。一方で爻の回頭の剋は、例えば亥や子の爻が丑や辰、未や戌の爻に変化することを指す。すなわち 本爻の地支が帯びる五行が化爻の地支より剋を受けるのである。

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およそ回頭の生、回頭の剋は卦中の他動爻より受ける生剋の作用より強く作用する。

特に回頭の剋の作用は、本爻を徹底的に剋しつくすので、原神や用神が回頭の剋に遭うことは大凶の象である。一方で忌神や仇神がこれに遭うと、かえって吉と断じるのである。(※2)

(※1)卦の回頭の生、回頭の剋は近代五行易においては、殆ど用いる用例を観ない。但し、乾為天の卦が坤為地に変化する場合においては、六爻全てが回頭の生となる。また坤為地が巽為風となる時は内卦、外卦が反吟するので、卦の回頭の生、回頭の剋の作用はこの場合において作用する。おそらく古典においてのこの解釈は、上記のような場合に起きる現象を、より広範囲に拡大類推解釈したものと考えられる。
(※2)官鬼を用神とする病占の場合は解釈が正反対となるので注意が必要である。

巻2 暗動及び絆住(合住)

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およそ発動を見ない静爻も、日辰から冲を受けると暗動といい動爻と同じ扱いをする。一方で発動する爻が日辰から合を受けるとこれを 絆住(合住) といい、かえってその発動を制せられ背う爻と同じ扱いをする。

およそ暗動とはその暗動する爻が帯びる地支が合に遭う時に必ず動くとし、 絆住(合住) はその爻が帯びる地支が冲に遭う時に合が解けて動き出すと応期を求める。

暗動は動きたいと思って動くのではなく、例えれば人の誘われて物見遊山に出かけるようなものである。またその動きは表面的ではなく、裏に隠れて内々に動く。例えれば軍を出そうとして、事前に謀を巡らせているようなようなものである。

絆住(合住) とは動こうとしているところを止められている状態で、例えれば出かけようとしたところに来客があって出かけようにも出かけられないようなものである。また動きたいが動くに動けないという内心を表し、例えるならば酔った人物がもうやめようと思っているのに、まだ酒が残っているので飲み続けているようなものである。

巻2 合起及び冲起

およそ発動のない静爻であっても、日辰からの合を受ければこれを合起として成功も動爻と同じ扱いをする。

動爻が日辰から冲を受ける場合は冲起と言うが、これは暗動や 絆住(合住) に比べるとその勢いは甚だ弱い。冲起は則ち暗動である(※3)

(※3)鼓缶子の判断の誤り。劉伯温の黄金策千金賦総断には「併不併、衝不衝なるは、字眼の多きに因る」とあり
(「併」とは日辰と同じ地支を帯びる爻のことで特に「日併」という。「衝」とは日辰から冲を受ける爻の事を指し、「(冲起)暗動」するものと「冲散」の二つの作用がある。「不併」とは、日併した爻が発動して回頭の剋となったり、墓に化したり、絶に化す事で、特にこれを「日辰変壊」と言い即日凶事訪れるの凶象である。「不衝」とは、例えば子日に占い、用神が午(火)であったとき、用神はすでに日辰から冲を受けるのだが、もしその時卦中に子(水)の忌神があって、発動して回頭の剋、墓に化す。絶に化すならばこれを「日辰化壊」といい、用神にはかえって即日吉を見る吉象である。「字眼」とは「併」も「衝」も単一的な作用ではなく、発動の如何によってその作用が変わることを形容した言葉である。)
の解釈から、同行に対する日辰からの冲は、爻の旺衰に関わらず「冲散」すると解釈するのが一般的である。
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